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ファンタジー小説 : ウィキペディア日本語版
ファンタジー


ファンタジー()とは、超自然的、幻想的、空想的な事象を、プロットの主要な要素、あるいは主題や設定に用いるフィクション等の作品のジャンルである。
このジャンルの作品の多くは、超自然的な要素を含む架空の世界や惑星を舞台としている。ファンタジーはサイエンス・フィクションホラーとは科学のテーマを避けることで概ね区別されるが、これらには互いに重なる部分も多い(いずれもスペキュレイティブ・フィクションのサブジャンルたり得る)。文芸としての「ファンタジー」は幻想文学と呼ばれるジャンルのサブジャンルでもある〔東雅夫編著 『幻想文学入門』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、30頁。〕。
== ファンタジーの定義 ==

ファンタジーの定義は曖昧であるが、弁別的特徴として、作品内に魔法などの空想的な要素が(現実的にはありえなくとも〔Diana Waggoner, ''The Hills of Faraway: A Guide to Fantasy'', p 10, 0-689-10846-X〕)内部的には矛盾なく一貫性を持った設定として導入されており、そこでは神話や伝承などから得られた着想が一貫した主題となっていることが挙げられる〔John Grant and :en:John CluteJohn Clute, ''The Encyclopedia of Fantasy'', "Fantasy", p 338 ISBN 0-312-19869-8〕。
そのような構造の中で、ファンタジー的な要素はどのような位置にあってもかまわない。隠されていても、表面上は普通の世界設定の中に漏れ出す形でも、ファンタジー的な世界に人物を引き込む形でも、そのような要素が世界の一部となっているファンタジー世界の中で全てが起こる形でもありうる〔Jane Langton, "The Weak Place in the Cloth" p163-180, ''Fantasists on Fantasy'', ed. Robert H. Boyer and Kenneth J. Zahorski, ISBN 0-380-86553-X〕。
サイエンス・フィクション (SF) との対比で言うと、SFでは世界設定や物語の展開において自然科学法則が重要な役割を果たすのに対し、ファンタジーでは空想や象徴、魔法が重要な役割を果たす。ただし、SF作品においても、現実世界には存在しない科学法則を仮定し、それに基づいた世界や社会を描く試みがその歴史の初期から存在すること、逆にファンタジー作品においても錬金術や魔法などに体系的な説明が用意されている場合があること、など、両者の線引きを困難にするようなケースがある。また執筆当時にそのような分類がなされていたかは別にして、SFとファンタジー双方の作品を発表する作家もおり、SFとファンタジー両方の性質を併せ持った境界線上の作品(SFファンタジー)も多数発表されている。
ファンタジーの定義を広く「仮想の設定のもとに世界を構築する作品」とし、SFをサイエンス・ファンタジーとしてファンタジーに含ませる考え方もある。SFとファンタジー双方の作品を発表する作家であるアン・マキャフリイなどは、SFはファンタジーのサブジャンルであると度々語っている。
また逆に、現代文学におけるファンタジーの形成と再評価の相当な部分、特にパルプ・マガジンに代表される(児童文学に分類されない)大人向けの部分の多くが、先行して市場が形成されていたサイエンス・フィクションの市場の枠内で行われてきたという歴史的な経緯から、ファンタジーをSFの有力な一分派とする考え方もある。サイエンス・フィクション研究家であるフォレスト・J・アッカーマンやSF作家でSF史の著書もあるブライアン・オールディスなどもこの見解である。
どちらも極論ではあるが、この両者は明確な境界が存在し得ないほど近しい関係にある。これらを包括した呼称として「スペキュレイティブ・フィクション」がある。
なお、ファンタジー的(幻想的)を意味する英語の形容詞は「ファンタスティック」 (fantastic) であり、日本で時として使われる「ファンタジック」というカタカナ言葉は本来の英語では誤りとなる和製英語である〔大辞林三省堂)より〕。
児童文学においては、主人公が異世界と行き来するものをファンタジー、主人公がもともとその世界の住人であるものをメルヘンと分類している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Fantasy 」があります。



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