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フィルムノワール : ウィキペディア日本語版
フィルム・ノワール

フィルム・ノワール (film noir) は、虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画 を指した総称である。
狭義には、1940年代前半から1950年代後期にかけて、主にアメリカで製作された犯罪映画を指す。
== 起源と定義 ==
''Film noir''はフランス語で「暗い映画」を意味する。(なお、''noir''とはフランス語で"い"(英語でいえばBlack)という意味の形容詞である)
1946年フランス映画批評家脚本家ニーノ・フランクが、アメリカ第二次世界大戦中に製作された『マルタの鷹』『飾窓の女』などの犯罪映画の一群を指して、この呼称を与えた〔レクラン・フランセ (''L'Écran Français'')、1946年8月、英語版WikipediaNino Frank参照。〕のが起源と言われる〔ただし、暗いモチーフを用いたフランス映画について1930年代末期に Film noir とフランスで呼んだ事例はあるが、単発的なものであり、戦後に至って、アメリカ映画の傾向について定義する用語として定着した。〕。以後フランスの映画評論界における用語として定着し、後にはアメリカにも用語・定義として逆輸入された。
フランス語であるため、一部にはフランス製ギャング映画を指してフィルム・ノワールと表現する例がみられる(後述フレンチ・フィルム・ノワール参照のこと)が、本来は上記のような経緯からハリウッドで製作された犯罪映画を指し、1941年製作の『マルタの鷹』(監督:ジョン・ヒューストン、主演:ハンフリー・ボガート)をそのはしりとする。一部にはそれに先立つ1940年製作の『三階の他人』''Stranger on the Third Floor''(監督:ボリス・イングスター)を最初のフィルム・ノワールと定義する評論家もある。一般的な定義では、1941年製作の『マルタの鷹』から、1958年製作の『黒い罠』(監督:オーソン・ウェルズ、主演:チャールトン・ヘストン)に至る時期の作品群を指すものとされている。
もっとも更に遡る1932年公開(製作は1930年)の『暗黒街の顔役』(監督:ハワード・ホークス、主演:ポール・ムニ)を、その当時のギャング映画としては突出した(倫理コードの極限の〔いわゆるヘイズ・コードと呼ばれるものの実施は1934年からである。〕)凶暴性と破滅・退廃性から、フィルム・ノワールの源流と考える見方もある。
なお、このジャンルの期間や含まれる作品は確固たるものではなく、上記のごとく評論家個々によって相当に異なる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「フィルム・ノワール」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Film noir 」があります。



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