|
フェラーリ・333SPは、1994年のIMSA・WSC(ワールドスポーツカー)参戦用にフェラーリが製作したプロトタイプレーシングカーである。「333」の由来は、エンジン1気筒あたりの排気量 (333.09cc) から。フェラーリがプロトタイプレーシングカーを投入するのは、1973年の312PB以来、21年ぶりのことであった。 ==概要== 333SPの開発計画は、ステアリングメーカー「MOMO」の社長であり、現役レーサーでもあるジャンピエロ・モレッティが、フェラーリ副社長のピエロ・ラルディ・フェラーリに提案したことから始まる〔磯部道毅 『Ferrari V12 -Racing Sports,GT&F1』 三樹書房、1999、143 - 144 頁。〕。アメリカのIMSAで、1994年より生産エンジンをベースにしたWSCクラスが創設される機会にあわせて開発された。 計画担当はF1部門(スクーデリア・フェラーリ)ではなく、子会社のフェラーリ・エンジニアリング〔。ジャンパオロ・ダラーラがトニー・サウスゲイトの協力を得てデザインを行い〔、ダラーラが製作を担当した。後期型はパドヴァのチューナーミケロットが担当した。 エンジンはロードカーF50用に開発中だった自然吸気 4.7L 65度V型12気筒 DOHC 5バルブエンジンをベースにしてストロークを短縮し〔、WSCの上限排気量である4.0Lまで縮小された(ティーポF130E)。最高出力は650ps / 11,000rpm、最大トルクは45kgm / 9000rpm〔"フェラーリF333 SP ". Ferrari.com. 2013年2月27日閲覧。〕。このエンジンを遡ると、1992年のF1マシンであるF92Aに搭載されていた3.5Lエンジン(ティーポ040)に繋がる〔"期待を込めて ". Ferrari.com. 2013年2月27日閲覧。〕。 センターモノコックはカーボンコンポジットとアルミハニカムで成型し、シーケンシャルタイプの5速MTが組み合わされた〔。 サスペンションは前後ともF1的なプッシュロッドを用いていた〔二玄社刊『CG選集 フェラーリ2』 372-377頁。〕。 WSCのレギュレーションでは「エンジンは市販車の4L以下の物」というものだったが、333SP完成時にはまだF50の発売前でしかもF50のエンジンは4.7Lだったため、オーガナイザーのIMSAは協議の末、特例として参戦を認めた。オーガナイザーとしてもフェラーリの参戦がシリーズの盛り上げに必要と考えたためである〔アシェット『公式フェラーリF1コレクション Vol.79』〕。 333SPは当初こそオーガナイザーに歓迎されたものの、しだいにその強さが懸念されるようになり、最初の仕様で11,500rpmだったエンジンのレブリミットが11,000rpmに制限され、一気筒あたり5バルブの仕様も禁止されてしまった。さらに吸気制限のためのエア・リストリクターまで義務づけられてしまった〔。 一台あたりの価格は約100万ドルだった〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フェラーリ・333SP」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|