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フェルメールの作品(フェルメールのさくひん)では、17世紀のオランダの画家、ヨハネス・フェルメールの作品について記述する。 フェルメールの作品は、疑問作も含め30数点しか現存しない。現存作品はすべて油彩画で、版画、下絵、素描などは残っていない。以下には若干の疑問作も含め、37点の基本情報を記載し、各作品について略説する。 *収録順序、推定制作年代は『「フェルメールとその時代展」図録』(大阪市立美術館、2000年)による。 *日本語の作品タイトルについては、上掲図録のほか、『「フェルメール展」図録』(東京都美術館、2008年)、『フェルメール 生涯と作品』(小林頼子、東京美術、2007年)による。 *便宜上「1650年代の作品」「1660年代の作品」「1670年代の作品」の3つの節を設けたが、フェルメールの作品には制作年代不明のものが多く、推定制作年代については研究者や文献によって若干の差がある。 == 1650年代の作品 == === 聖プラクセディス === * 制作年代:1655年 * 技法:カンヴァス、油彩 * サイズ:101.6×82.6cm * 所蔵:個人蔵(日本・国立西洋美術館に寄託) * 来歴: バーバラ・ピアセッカ・ジョンソン・コレクションの所蔵品としてモナコで展示されていたが、2014年にクリスティーズで競売され、新たな所蔵者によって日本の国立西洋美術館に寄託された。 フェルメールの真作であるかどうかについては意見が分かれる。真作とすればもっとも初期の作。聖プラクセディスは2世紀頃の人物で、処刑されたキリスト教信者の遺体を清めることに努めたという。彼女は殉教者(絵の背景に見える)の血を含ませたスポンジを絞っている。本作品は、フェリーチェ・フィケレッリ(1605年 - 1669年?)というイタリアの画家が10年ほど前に描いた『聖プラクセディス』の写しと思われ、構図はフィケレッリの作品とほとんど同じであるが、聖プラクセディスがその手にスポンジとともにフィケレッリの原作にはない十字架を握っている点が異なっている。〔『フェルメールとその時代』、pp.174 - 176〕 本作品は、1969年にメトロポリタン美術館で開催された「アメリカのコレクションにあるフィレンツェ・バロック美術」という展覧会に上記フィケレッリの作品として出品されたものであったが、画面左下に「Meer 1655」と読める署名が発見され、画面右下にもこれとは別の署名が発見されるに至り、フェルメール作品とみなす研究者が現れた。フェルメール研究の権威の1人であるアーサー・ウィーロックが1988年、自分の著書に収録して以降、本作品がフェルメールの作品として紹介されることが多くなったが、疑問をもつ研究者もいる。〔小林頼子『フェルメールの世界』、pp.247 - 251〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フェルメールの作品」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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