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フェーン現象 : ウィキペディア日本語版
フェーン現象[ふぇーんげんしょう]

フェーン現象(フェーンげんしょう、)とは、山の斜面にあたったのちに山を越え、暖かくて乾いた下降気流となったによってその付近の気温が上がる現象のこと。
フェーン現象という名前は、フェーン()というアルプス山中で吹く局地風が由来であり、この局地風はアルプスを越えて吹く乾いた暖かい風のことである。現在は一般用語として使われており、本来のフェーンのほかに、北米ロッキー山脈を越えて吹く風チヌークなど、世界各地の同様の風もフェーンと呼ばれる。なお、漢字による当て字は岡田武松が考案した風炎である。
簡単にいうと、空気中に含まれる水蒸気が凝縮する際に熱を放出させる凝縮熱がある。そのため山の斜面を上昇すると空気は冷やされるが、湿った空気は温度が下がりにくい。一方、山で乾燥した空気は、下降に従って温度が上がるが、山を昇るときよりも温度の変動幅が大きい。このため元の気温よりも高くなる。
== 分類 ==
フェーン現象には二つの種類がある。すなわち、熱力学的な断熱変化によって起こるフェーン現象と力学的に起こるフェーン現象である。前者を湿ったフェーン、後者を乾いたフェーンという。乾いたフェーンは風が山を越えなくても起こるフェーン現象として知られている。この両者の現象の発生を唱え、フェーン現象の本格的な研究を行ったのはオーストリアの気象・気候学者ハン(1839年~1921年)である。ハンはフェーン現象の研究のほか、上昇気流による断熱変化、高気圧論など、気象力学(特に気象熱力学)の研究で業績を上げた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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