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フォスフォレッスセンス : ウィキペディア日本語版 | フォスフォレッスセンス
「フォスフォレッスセンス」は、太宰治の短編小説。 == 概要 ==
編集者の野原一夫の語るところによれば、1947年(昭和22年)5月頃、山崎富栄の部屋で太宰と野原がビールを飲んでいると、雑誌『日本小説』の若い編集者の訪客があった。その日が雑誌の締め切り日にあたっていたが、太宰は一行の原稿も書いていなかった。太宰は「口述でやろう」と編集者に提案し、20分ほどしたのちにゆっくりと喋り始める。口述が終わると筆記された原稿に2、3か所手を入れただけで編集者に渡したという。それが本作品『フォスフォレッスセンス』となった〔野原一夫 「回想太宰治」 『新潮』1980年3月号所収。〕〔雑誌の若い編集者は実際に作中に登場する。「かねて、けふが約束の締切日といふことになつてゐた或る雑誌の原稿を取りに、若い編輯者がやつて来た。私にはまだ一枚も書けてゐない。許して下さい、来月号か、その次あたりに書かせて下さい、と願つたけれども、それは聞き容れられなかつた」〕。 山崎富栄の手記に1947年の「6月3日」の項に「日本小説の方達と、私の二階でお話なさる」とあり、日付に関しては山崎の記述が正しいものと推測される。また本作品は太宰の自筆原稿が残っている。のちに太宰が改めて書き直したものと思われる(書き直しの時期は不明)〔。 題名の「Phosphorescence」は「燐光」の意。文筆家・翻訳家の松本侑子は自著『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社、2009年10月17日)において、「フォスフォレッスセンス」という花は実在しない花だろうと述べている。
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