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フクロオオカミ
フクロオオカミ(袋狼、''Thylacinus cynocephalus'')は、オーストラリアのタスマニア島に生息していた、哺乳類・フクロネコ目の大型肉食獣。1936年に絶滅。タスマニアオオカミの別名があるほか、背中にトラを思わせる縞模様があることから、タスマニアタイガーとも呼ばれる。有袋類ではありながらオオカミにあたるニッチを占めている、いわば「袋を持つオオカミ」であり、収斂進化の代表例としてしばしば取り上げられる。 == 進化 ==
本種は400万年前にはじめて出現したが、フクロオオカミ科の他種の出現は中新世初期にまで遡り、1990年代前半からこれまでに少なくとも7種の化石が、オーストラリア、クイーンズランド州北東部ので見つかっている。見つかっている7の化石種のなかで最も古いのが2300万年前に出現した''Nimbacinus dicksoni''で、それ以降の時代の同科の種よりは非常に小さかった。 最大種は''Thylacinus potens''で、タイリクオオカミほどの大きさにもなり、7種のうちでは唯一中新世後期まで生き延びた。更新世と完新世にかけては、本記事で扱うフクロオオカミが、多数ではないものの、オーストラリアとニューギニア全土に広く分布していたと考えられている。 収斂進化の一例として挙げられる本種は北半球に生息するイヌ科の種と、鋭い歯や強力な顎、趾行性や基本的な体の構造など、様々な類似点を持っている。イヌ科の種が他所で占めているようなニッチ(生態的地位)を本種はオーストラリアにおいて占めているため、それぞれ似通った特徴を獲得したのである。それにも関わらず本種は、北半球のどんな捕食者とも遺伝的に近縁ではない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フクロオオカミ」の詳細全文を読む
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