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フッ化物(フッかぶつ、弗化物、fluoride)とはフッ素とほかの元素あるいは原子団とから構成される化合物である。フッ素は最大の電気陰性度を持つ元素であるため、HF3 などごく一部の例外を除き、化合物の中では酸化数が -1 とされる。イオン性あるいは分子性のフッ化物が知られているが分子性フッ化物は液体のものが多く、常温で気体や固体のものも少数見られる。イオン性のフッ化物でも一般に融点の低いものが多い〔長倉三郎ら(編)、「フッ化物」、『岩波理化学辞典』、第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。〕。 イオン性のフッ化物の構成要素となる、フッ素原子が電子を1個得て単独でイオン化した陰イオン (F-) はフッ化物イオンと呼ばれる。フッ素イオンと言う名称は、現在推奨されていない。 == フッ化物イオン == フッ化物イオンはある種の結晶中ではイオン半径 119 pm の単独粒子として存在する場合もあるが、溶液や化合物によっては結晶中でも水和した F(OH2)4- として存在する場合も多い〔Cotton, F. A.; Wilkinson,G.; Murillo, C. A.; Bochmann, M. (1999). ''Advanced Inorganic Chemistry'' (6th ed), pp. 553–558. Wiley: New York. ISBN 0-471-19957-5〕。 Me4N+F-〔K.O.Christe ''et al'',''J.Am.Chem.Soc.'',1990, 112,7619.〕やCp2CoF〔T.G.Richmond ''et al'', ''J.Am.Chem.Soc.'',1994,116,11165.〕 など幾つかの無水物〔K.Seppelt ''et al'',''Chem.Eur.J.'',1995,1,261.〕が知られている。これらの無水物のフッ素イオン非水溶液中での振舞いは「裸のフッ素イオン」(Naked fluoride ions) として知られており、CsF の場合と比べても高い求核性を示す。その性質を利用して XeF5-、BrF6-、PF4- などの有機または無機フッ素化物が合成されている〔N.Doherty and N.W.Hoffman, ''Chem.Rev.'',1991,91,553.〕。 フッ化物イオンはケイ素との親和性が高いため、シリル基の脱保護に使われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フッ化物」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Fluoride 」があります。 スポンサード リンク
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