|
フツの十戒（フツのじっかい、''Hutu Ten Commandments''または''Ten Commandments of the Bahutu''）は、ルワンダのキガリで発行されていた反ツチ系であるルワンダ語の新聞、カングラの1990年12月版に掲載された文章である。フツの十戒は、ルワンダ愛国戦線による1990年の侵攻から1994年のルワンダ虐殺までの期間において、フツ過激派による反ツチプロパガンダの典型例として度々言及されたことで知られる〔〔Samantha Power (2002). ''A Problem from Hell: America and the Age of Genocide'' (Basic Books: New York) pp. 337–338.〕〔Linda Melvern (2004). ''Conspiracy to Murder: The Rwandan Genocide'' (New York: Verso) p. 49.〕〔Andrew Jay Cohen, "On the Trail of Genocide" , ''New York Times'', 1994-09-07.〕。カングラの編集長であり、この文章を作成したハッサン・ンゲゼは、2003年にルワンダ国際戦犯法廷によりジェノサイドと人道に対する罪による告発を受け、裁判により懲役35年の有罪判決を受けた〔Trial Watch: Hassan Ngeze , accessed 2008-02-11.〕。 == 内容 == #すべてのフツは、ツチの女性であれば誰しもが、ツチの利益のために働くことを知るべきである。その結果として、我々は以下のようなフツを裏切り者として考慮しなければならない。 # * ツチ女性と結婚する者 # * ツチ女性の味方となる者 # * 秘書や愛人としてツチ女性を雇用する者 #すべてのフツは、我らフツの娘が家族における妻や母としてより適切かつ良心的な女性であることを知るべきである。彼女らは美しくないのだろうか? 彼女らは優れた秘書であり、より誠実なのではないだろうか? #フツの女性は警戒し、夫や兄弟、息子が戻るよう説得せよ。 #すべてのフツは、すべてのツチがビジネスにおいて不正直であることを知るべきである。フツの唯一の目的は、自身の民族グループの優位性である。結果として、以下のようなフツは、裏切り者となる。 # * ツチとビジネス上のパートナーシップとなる者 # * ツチの企業に対し自分の金や政府の金を投資する者 # * ツチと金の貸し借を行う者 # * （輸入ライセンス、銀行融資、建設現場、公設市場などの場面に関する）ビジネスでツチを贔屓にする者 #戦略上重要な全ての地位、すなわち行政、経済、軍事、政治、安全保障は、フツのみで行うべきである。 #教育部門の人員（学童、学生、教員）は、大部分がフツでなければならない。 #ルワンダ軍の人員はフツが独占するべきである。1990年10月の戦争経験が我々に教えたのである。軍の人員は、ツチ族と結婚してはならない。 #フツはツチに情けをかけるのを止めるべきである。 #フツであれば誰しもが、団結、連帯し、フツの兄弟の運命を思い煩わなければならない。 # * フツの内部とルワンダの外では、常に仲間を探し、フツの理念のために同盟し、フツの兄弟と共に動き出さなければならない。 # * 常にツチのプロパガンダに対抗しなければならない。 # * フツは共通の敵であるツチに対して身を引き締め、警戒しなければならない。 #1959年の社会革命と1961年の国民投票、そしてフツ族のイデオロギーを、あらゆるレベルのフツ族全てに、教育しなければならない。全てのフツ族はこのイデオロギーを広く普及させねばならない。このイデオロギーを読み、広め、教える行為を迫害する全てのフツ族は裏切り者である〔John A. Berry and Carol Pott Berry (eds.) (1999). ''Genocide in Rwanda: A Collective Memory'' (Washington, D.C.: Howard University Press) pp. 113–115.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「フツの十戒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|