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乳香(にゅうこう)とはムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂のこと〔乳香の故郷、オマーン (国際貿易投資研究所主任研究員 小野充人 )〕。 == 概要 == ボスウェリア属の樹木は、オマーン、イエメンなどのアラビア半島南部、ソマリア、エチオピア、ケニア、エジプトなどの東アフリカ〔、インド〔FRANKINCENSE Online Encyclopedia(1911 Encyclopedia Britannica) 〕に自生している。 これらの樹皮に傷をつけると樹脂が分泌され、空気に触れて固化する。1-2週間かけて乳白色~橙色の涙滴状の塊となったものを採集する〔。乳香の名は、その乳白色の色に由来する〔乳香(にゅうこう)日本大百科全書 〕。 古くからこの樹脂の塊を焚いて香とし〔かたち-聖器物や祭服:日本正教会 The Orthodox Church in Japan 〕、または香水などに使用する香料の原料として利用されている〔。 樹脂の性質は樹木の種類や産地によって大きく異なる。樹木は栽培して増やすことが困難で、これらの自生地の特産品となり、かつては同じ重さの金と取引されたこともある〔精油豆知識・フランキンセンス 〕。現在も良質とされるものの商業的な生産は主にオマーンで行なわれている。近年は火災、カミキリムシによる害、乱獲、乱開発、農地への転換などで急速に減少している。最近の研究では、今後50年で約90%減少すると予想されており、持続は不可能と考えられている。〔Christmas Staple Frankincense 'Doomed,' Ecologists Warn LiveScience、FOX News Network 2011/12/21〕 香以外にも中医薬・漢方薬としても用いられ〔ニュウコウ・・乳香中医生薬解説 〕、鎮痛、止血、筋肉の攣縮攣急の緩和といった効能があるとされる〔。また、多く流通している南アラビア地域では、唾液分泌の促進やリラクゼーションのために乳香樹脂をガムのように噛むことがある。 水蒸気蒸留で得られる精油は、食品や飲料に香料として添加される。また、香水にも利用され、シトラス系、インセンス様、オリエンタル系、フローラル系など、様々な香水に使われている。ベンゼンなどの溶剤を使って抽出したアブソリュートは、香りの定着剤として多くの香水に用いられる。乳香が数千年にわたり宗教に利用されてきたことをかんがみると、香として利用した際の芳香成分には、リラクセーションや瞑想に効果的であると考えられる〔マリア・リス・バルチン 著 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子 松村康生 監訳、フレグランスジャーナル社、2011年〕。アロマテラピーに精油が用いられるが、樹脂を燃焼させた際の成分とは異なるため、香としての効能を流用することはできない。精油には強い刺激作用があり、産地や抽出法で成分が異なるため効能を一般化することは困難だが、香りを楽しむ目的で精油をマッサージなどと併用するのなら、アロマテラピーでの利用も有益であるかもしれない。精油の香りには興奮作用が、樹脂を燃やした香りにはリラックス効果が見られるようである。精油は強力な抗菌活性を持つが、抗真菌作用は非常に弱い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「乳香」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Frankincense 」があります。 スポンサード リンク
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