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フランス語の否定文()は、現代標準フランス語における否定文について記述する。フランス語の否定文の特徴は、 に代表されるように否定が を含む 2 語で表されることと、多様な否定語があることである。否定語には、否定副詞、否定代名詞、否定限定詞、否定接続詞がある。 == 歴史 == 現代フランス語の文語では、単純否定は と の 2 語で表され、1 語または 1 形態素で表される他の多くの言語と対照的である。 * (フランス語) * (英語) * (ドイツ語) * 私は知らない。 (日本語) * (中国語普通話) しかし言語学の観点からは、珍しい現象ではない。イェスペルセンは 1917 年に、諸言語の否定表現が一定の傾向で変化することを見出した。これをイェスペルセン周期またはイェスペルセン・サイクルと呼ぶ。以下にその各段階を示す。 # 否定は動詞に先行する否定標識で表される。 # 否定標識が音声的に弱くなり、強調の副詞が付け加えられる。 # 強調の副詞が義務化して否定副詞となり、否定は 2 語で表される。 # 否定は否定副詞で表され、元々の否定標識は任意になる。 # 否定は否定副詞だけで表される。 # 否定副詞が、動詞に先行する否定標識としても使われる。 # 1 に戻る。 英語、ドイツ語、オランダ語などは第 5 段階である。 ラテン語は → → と一周して第 1 段階に戻った。その後、スペイン語、イタリア語などの他のロマンス諸語はそこにとどまっている。 現代フランス文語は第 3 段階、現代フランス口語は第 4 段階、現代ケベック・フランス口語は第 5 段階に進んでいる。 # (ラテン語) # (古フランス語、 は強調) # (現代フランス文語) # (現代フランス口語、 は任意) # (現代ケベック・フランス口語、 は常に脱落) 本来、否定を示すのは だったが、発音が弱まって接語となり、さらには脱落するようになった。このため、今では否定を担うのは のほうである。 否定の強調として最初に現れたのは と であり、後に が加わった。この他、 , も使われた。これらは元々、否定される動詞に対応した強調だったが、後に単なる否定副詞に変わり、動詞の意味に関わらず用いられるようになった。 現在では が標準であり、 は古風な文語である。残る はもはや使われない。 否定語の多くは今も同形の名詞が存在するが、現代フランス語では名詞は限定詞を伴うので、単独で使われる否定語とは明確に見分けられる。 * (…ない) * (一歩) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フランス語の否定文」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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