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フランス語の否定文 : ウィキペディア日本語版
フランス語の否定文[ふらんすごのひていぶん]

フランス語の否定文()は、現代標準フランス語における否定文について記述する。フランス語の否定文の特徴は、 に代表されるように否定が を含む 2 で表されることと、多様な否定語があることである。否定語には、否定副詞、否定代名詞、否定限定詞、否定接続詞がある。
== 歴史 ==
現代フランス語の文語では、単純否定は と の 2 語で表され、1 語または 1 形態素で表される他の多くの言語と対照的である。
* (フランス語)
* (英語)
* (ドイツ語)
* 私は知らない。 (日本語)
* (中国語普通話)
しかし言語学の観点からは、珍しい現象ではない。イェスペルセンは 1917 年に、諸言語の否定表現が一定の傾向で変化することを見出した。これをイェスペルセン周期またはイェスペルセン・サイクルと呼ぶ。以下にその各段階を示す。
# 否定は動詞に先行する否定標識で表される。
# 否定標識が音声的に弱くなり、強調の副詞が付け加えられる。
# 強調の副詞が義務化して否定副詞となり、否定は 2 語で表される。
# 否定は否定副詞で表され、元々の否定標識は任意になる。
# 否定は否定副詞だけで表される。
# 否定副詞が、動詞に先行する否定標識としても使われる。
# 1 に戻る。
英語、ドイツ語、オランダ語などは第 5 段階である。
ラテン語は → → と一周して第 1 段階に戻った。その後、スペイン語イタリア語などの他のロマンス諸語はそこにとどまっている。
現代フランス文語は第 3 段階、現代フランス口語は第 4 段階、現代ケベック・フランス口語は第 5 段階に進んでいる。
# (ラテン語)
# (古フランス語、 は強調)
# (現代フランス文語)
# (現代フランス口語、 は任意)
# (現代ケベック・フランス口語、 は常に脱落)
本来、否定を示すのは だったが、発音が弱まって接語となり、さらには脱落するようになった。このため、今では否定を担うのは のほうである。
否定の強調として最初に現れたのは と であり、後に が加わった。この他、 , も使われた。これらは元々、否定される動詞に対応した強調だったが、後に単なる否定副詞に変わり、動詞の意味に関わらず用いられるようになった。
現在では が標準であり、 は古風な文語である。残る はもはや使われない。
否定語の多くは今も同形の名詞が存在するが、現代フランス語では名詞は限定詞を伴うので、単独で使われる否定語とは明確に見分けられる。
* (…ない)
* (一歩)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「フランス語の否定文」の詳細全文を読む



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