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フロセミド : ウィキペディア日本語版
フロセミド

フロセミド (Furosemide)は、心不全肝硬変、腎疾患英語版に因る浮腫の治療に用いられるループ利尿薬の一つである。降圧を目的とした処方も行われる〔。性状は白色結晶性の粉末であり、水にはほとんど溶けない。経口投与でも筋注でも速やかに吸収され、血漿蛋白との結合率が高く、肝臓や腎臓以外の組織にはほとんど分布しない。ヘンレ係蹄(ヘンレループ)の太い上行脚の管腔側の膜のNa+・K+・2Cl-共輸送担体(NKCC2)を抑制することにより、NaCl、K+の再吸収を抑制し、速効性かつ強力な利尿作用を示すが、作用時間も短い。経口投与後約1時間、静脈注射後は5分以内で臨床効果が現れるが、効果を発現する用量は患者毎に異なる〔。
主な副作用は起立性低血圧耳鳴り光線過敏症〔である。強心配糖体と併用すると低カリウム血症を示す恐れがある。そのため、ジギタリスなどの強心配糖体と併用するときはスピロノラクトングルコン酸カリウムを用いる。
代表的な商品名はラシックス錠・細粒・注及びオイテンシンカプセル(共にサノフィ社)。後発品多数(メーカ、剤形は略)。フロセミドが発見されたのは1962年であり、日本で発売されたのは1965年である(20mg注):表紙
WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている。 他の薬物を排泄する作用が有る為、世界アンチ・ドーピング機関の禁止薬物に規定されている。米国ではウマのの予防や治療にも用いられる。
==作用機序==
フロセミド等のループ利尿薬はヘンレループの内腔に存在する(NKCC2)を阻害する。遠位尿細管に於けるこの作用は炭酸脱水酵素の阻害効果やアルドステロンの阻害効果とは独立したものであり、皮髄浸透勾配を無効化し、をブロックする。
ヘンレループでのNaCl吸収キャパシティが大きい為、利尿は炭酸脱水酵素阻害剤に因るアシドーシスで制限されない。
加えて、フロセミドはGABA-A受容体の非競合的特異的阻害剤である。µMの桁の濃度でα6β2γ2受容体のGABA誘発性電流を可逆的に阻害するが、α1β2γ2受容体は阻害しない〔〔。
ラットでは発達中の小脳の顆粒神経細胞でα6β2γ2受容体が増加し、フロセミドの感受性が増大した〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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