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ハッカー (hacker) とは主にコンピュータや電気回路一般について常人より深い技術的知識を持ち、その知識を利用して技術的な課題をクリア(なかったことに)する人々のこと。また、コンピュータの「内側」を覗く人としても使用され、この内側を覗く行為が破壊行為あるいは不正アクセスを伴う場合は、ハッカーではなくクラッカーと言い換える事が提案されている。細かく分類すると、ギーク (geek)、ウィザード (wizard)、クラッカー (cracker)との分類する例もある。 ==概要== 日本工業規格JIS X0001 1994においては「高度な技術をもった計算機のマニア。」「高度の技術をもった計算機のマニアであって、知識と手段を駆使して、保護された資源に権限をもたずにアクセスする人。」と2種類の定義を行っている〔JIS X0001(経済産業省審議会 日本工業標準調査会) 印刷とダウンロードを禁止する強力なセキュリティに守られている為、環境によっては閲覧不可〕。定義が分かれている理由は、使用されている年代によってその意味が異なるからで、古くはコンピュータが普及していなかった1960年代から使用されてきた。『HACKERS』(Steven Levy著)などによると、一説には ''hack'' (日英米ではハッカー、その他の国々ではしばしばヘイカー、ハーケル、ヘイケルと発音)という言葉が現在と近い意味で使われ始めたのは、1960年代、マサチューセッツ工科大学の鉄道模型クラブにおいてであると言われている。現在ではコンピュータ技術に長けた人物のことを指す用法がほとんどだが、もともとこの単語には本来「雑だけど、巧く動く間に合わせの仕事をする」、「斧ひとつだけで家具を作る能力のある職人」「冷蔵庫の余り物で手早く料理を作る」というニュアンスで日常生活でも一般に使われるものだった。 このハッカーの語源としてのhackは「石橋を叩いて渡るような堅実な仕事ぶり」とは対極に位置するもので、機転が利いてちょっとした仕事を得意とする人物を ''hacker'' と呼ぶ。それゆえにこの言葉は、大規模な開発プロジェクトを何年にも亘って指揮してきた優秀なソフトウェア技術者に対して使用されるものではない。ハッカーとは極めて個人的な属性に基づいた呼称であり、その人物の間に合わせのアイデアや閃きを重視した言葉である。Steven Levyによれば、このハックするが、マサチューセッツ工科大学の鉄道模型クラブにおいて、ちょっとした微笑をもたらす悪戯として使用はじめている内に、コンピューターの内部を覗いたり、応急処置で技術対応する人間をいつしか、ハッカーと呼ぶように変化していった様を述べている。 黎明期のインターネットなど昔のネットワークでは、あえてセキュリティーを突破し、侵入した証拠を残すなどの方法で相手にセキュリティーホールを知らせるなど、義賊的な互助精神的文化が存在していた。この事もあり、当初ハッカーが行う行為には、技術的知識を利用してネットワークのセキュリティを突破したり、コンピュータウイルスを作成したりすることも含まれていた。しかし、情報化社会の急速な進展に従って、悪意のためにそれらの行為を行う者が増え、社会的に問題とされるに至った今日では、この様な行為をする者を「ハッカー」と呼ぶのは誤用とされ、コンピュータを使って悪事をはたらく者をクラッカーと呼んで区別することで、ハッカーという呼称を中立的な意味で再定義しようとする試みが盛んになった。しかし、クラッカーと呼ぶにふさわしいネットワーク犯罪者が、新聞などマスメディアにおいてカタカナ語のハッカーと表記されてしまっており、またこのような試みを行う者自身がハッカーではない点、さらにそれらの人々が自分の主観のみにおいてハッカー像を語る場合が多いため、再定義に成功しているとは言えない。中国においては意味と英語の音声を訳したもの黒客(読みはヘイカー)という漢字が一般的に使われている。 クラッキングの元祖は、1970年代にアメリカの公衆電話回線網の内部保守システムに介入する方法を発見した「キャプテン・クランチ」ことジョン・T・ドレーパーであると言われているが、正確にはコンピュータへのクラッキングではない。しかし、所有者である電話会社に無断で電話通話料を払わずに公衆電話回線を利用することは、セキュリティの意識が低い所有者自身にも問題があるとはいえ、このようなクラッキング行為自体は不法であるとの解釈もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハッカー」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Hacker (term) 」があります。 スポンサード リンク
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