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ブラーフミー文字 : ウィキペディア日本語版
ブラーフミー文字[ぶらーふみーもじ]

ブラーフミー文字(ブラーフミーもじ、)は、近代以前のブラーフミー系文字の一種である。ブラーフミー文字で書かれた最も有名な碑文としては、紀元前3世紀頃の石に刻まれたアショーカ王法勅がある。これは長い間、ブラーフミー文字の最初期の使用例であると考えられてきた。しかし、最近の南インド〔とスリランカDeraniyagala on the Anuradhapura finds International Union of Prehistoric and Protohistoric Sciences, Proceedings of the XIII International Congress of the Union of Prehistoric and Protohistoric Sciences. 1996.〕〔
*Coningham, Robin, University of Bradford Anuradhapura Project 〕における考古学的知見は、ブラーフミー文字が最も初期に使われたのは紀元前6世紀前後であると示唆している。年代は放射性炭素法と熱ルミネッセンス法で測定された。
ブラーフミー文字は南アジア東南アジアチベットモンゴルのほとんどの文字体系の祖である。さらにパスパ文字を通じて朝鮮ハングルにも影響を与えている可能性が高い。ブラーフミー数字は、現在世界中で使われているアラビア数字の元になっている。
== 起源 ==


ブラーフミー文字は、ほとんどの研究者によって、同時期にアケメネス朝の支配下にあった北西インドの一部で発生したカローシュティー文字と同様、帝国アラム文字のようなセム系文字から生じた、あるいは少なくともその影響によって生じたと考えられている。:en:Rhys Davidsはその文字が商人によって中東からインドにもたらされたという説を唱えている。他の可能性は紀元前6世紀後半アケメネス朝の征服にともない、アショーカ王の下で彼の布告の下準備として計画的に考案されたというものである。
ブラーフミー文字の最古の使用例はスリランカの交易都市アヌラーダプラから見つかった紀元前5世紀初頭の陶片であると思われる。さらに、アーンドラ・プラデーシュ州:en:Bhattiproluとインドタミル・ナードゥ州:en:Adichanallurの陶片からより古いブラーフミー文字の証拠が発見されている。放射性炭素年代測定がそれらは紀元前6世紀のものであると証明した〔Subramanian, T.S., Skeletons, script found at ancient burial site in Tamil Nadu 〕。
最古のブラーフミー文字による碑文を見ると、当時のアラム文字と比べて2つの言語間で等価な少数の音素に関して著しい類似点が見られる。とくに書字方向の変更を反映して文字を反転させると明らかである。
しかしながら、セム語派は音韻論的にインド語派とそれほど一致しないので、あらゆるセム系文字に大規模な (そしておそらく計画的な) 変更が必要だったと思われる。確かに、これは結び付きを示すもっとも説得力のある状況証拠である: 文字体系間の類似性は単にそのような適応から期待されるに過ぎない。たとえば、アラム文字は歯音そり舌破裂音と区別しなかった。ブラーフミー文字では歯音とそり舌音の一組は図形的に非常に似ており、あたかも両者が単一の原型から生じたかのようである。
アラム文字にはブラーフミー文字の有気音 (''kh, th'' など) がない。一方ブラーフミー文字にはアラム文字の強勢音 () がない。そしてアラム文字の余分な強勢音のための文字はブラーフミー文字の有気音を埋めるために使われたようである (アラム文字の ''q'' はブラーフミー文字の ''kh'' に使われ、アラム文字の ''ṭ'' はブラーフミー文字の ''th'' に使われている)。そしてアラム文字に唯一対応する強勢音がなかった、''p'' に関して、ブラーフミー文字は無気音の字を使い回したようである: ブラーフミー文字の ''p'' と ''ph'' は図形的に非常によく似ており、あたかも同じ出所から取られたように見える。アルファベットの最初の文字も一致する: ブラーフミー文字の ''a'' はアラム文字の''アレフ''によく似ている。
別の説によれば、ブラーフミー文字はおそらくインダス文字をその祖先として全く独自に発達した。この説はイギリスの学者G.R. HunterRaymond Allchinなどが主張している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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