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ブルシン () はマチンなどの種子に含まれるインドールアルカロイド。IUPAC許容慣用名は2,3-ジメトキシストリキニジン-10-オン 2,3-dimethoxystrychnidin-10-one。苦味があり、水には難溶。二水和物、四水和物を形成する。分子式 C23H26N2O4 で、ストリキニーネのベンゼン環に2個のメトキシ基が置換した構造を持つ。CAS登録番号 。毒性を持つが、ストリキニーネよりは弱く、ストリキニーネの約6分の1である。 1818年に、マチン (''Strychnos nux-vomica'') およびイグナチウス子(呂宋果、''Strychnos ignatii'' の実)から単離された。 毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている〔毒物及び劇物指定令 昭和四十年一月四日 政令第二号 第二条 八十七の二 〕。 == キラルアミンとしての利用 == ブルシンはカルボン酸の光学分割に用いられる。キナ皮由来のアルカロイドによるラセミ混合物の光学分割は、1853年にルイ・パスツールによって報告〔 〕されて以来知られていた。ブルシンによってアミノ酸を光学分割できることは、1899年にエミール・フィッシャーによって報告された。ブルシンやストリキニーネは塩基であるため、カルボン酸のラセミ体に作用させると2種類の塩を与え、それらはジアステレオマーの関係にある。そこで生じる溶解性の差を利用して再結晶、あるいは再沈殿により片方のジアステレオマーを取り出し、酸で中和するとキラルなカルボン酸の一方のエナンチオマー(鏡像異性体)のみが得られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ブルシン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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