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ブルートガング ブルートガング〔東浦義雄訳 (2002) p.154 に見られる表記。〕〔手嶋竹司訳 (1998) 上巻 p.304, 下巻 p.348-351 に見られる表記。〕 (Blutgang) とは、中世ドイツのディートリヒ伝説に登場する英雄ハイメの剣である。カナ表記は他に、ブルトガング〔『聖剣伝説』(1997) に見られる表記。〕、ブルドガングなど。 この剣は、ハイメがディートリヒに挑戦するために旅立ったとき、父から持たされたものだった〔『ゲルマン神話 下』p.348 では、父に旅立つことを告げる時点で既に所有している。〕。しかし、ディートリヒとの一騎討ちの際に折れてしまった〔『ゲルマン英雄伝説』p.154.〕〔『ゲルマン神話 下』p.348-351.〕。 この一騎討ちの後、ハイメはディートリヒの配下となり、のちに別の名剣ナーゲルリングを下賜されている〔『ゲルマン英雄伝説』p.172.〕〔『ゲルマン神話 下』p.375.〕〔『ドイツ中世英雄物語3』p.192.〕。 日本語圏においては、1997年に刊行された一般書『聖剣伝説』(佐藤俊之とF.E.A.R、新紀元社)において北欧神話の神ヘイムダルの剣であると誤って紹介されて以来、この誤解が広まっている。北欧神話の原典においてヘイムダルとブルートガングを結びつける資料は見つかっておらず、ヘイムダルの剣として言及されているのはホヴズである。この勘違いは、当時日本語圏ではディートリヒ伝説の認知度が低かったため、英語文献にあったハイメ (Heime) とヘイムダル (Heimdall) を取り違えたことから起きたのではないかとみられている。 == 脚注 ==
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