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プリミティブ方程式(プリミティブほうていしき、英語:primitive equations)とは、大規模な大気の運動を記述する非線形微分方程式群で、現在の気象予報において最も広く用いられている方程式。 以下の3つの主要な部分からなる。 *運動量保存の法則 : 球体表面の水力学的運動を表現するナビエ・ストークス方程式の変形。運動の水平スケールが鉛直スケールよりも十分大きい、静水圧近似の状態を前提(条件)とする。 *熱エネルギー方程式(エネルギー保存の法則) : 熱の出入りおよび、系全体の熱・エネルギーの変化とその状態を記述。 *連続の方程式 : 質量の保存則を記述。 プリミティブ方程式からは、ラプラスの潮汐方程式を導出できる。この式は、緯線方向の運動を決定づける固有値である、線形のハフ関数を解に持つ。 一般的にプリミティブ方程式は、5つから6つの未知変数(他の変数に従属して決まるものもある)を持ち、これが空間・時間とともに変化していく。未知変数は、南北移流ベクトル、東西移流ベクトル、鉛直移流ベクトル、高度、気温または温位、湿度または比湿、気圧、空気の密度などである。 プリミティブ方程式の原型を最初に発表したのは、ヴィルヘルム・ビヤークネスであった〔Before 1955: Numerical Models and the Prehistory of AGCMs アメリカ物理学会〕。ルイス・フライ・リチャードソンはこの式を用いて数値予報を行ったが失敗し、この欠点を補う準地衡風方程式を用いるようになったがこれも低緯度地域や小規模現象には適用できない欠点があり、結局はプリミティブ方程式が広く用いられるに至った。 移動性低気圧・高気圧などの総観スケールの現象を予報するには適した手法で、プリミティブモデルとして数値予報モデルに採用されている。一方、スケールの小さい現象は静水圧近似が適用できないため、非静力学モデルを用いる。 == プリミティブ方程式系 == プリミティブ方程式は、形は様々であるが、基本形として5~7つの式を用いる。以下の通り。 *運動方程式 - ふつう、水平方向2つと鉛直方向1つの計3つの式を用いる。 *熱力学の第一法則 *気体の状態方程式 *連続の方程式(連続の式) *水蒸気の輸送方程式 気象庁は、以上の7つの式(運動方程式を1つと数えて5つとする場合が多い)を用いている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「プリミティブ方程式」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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