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プレギュアース( )は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してプレギュアスとも表記される。 コリントスの王シーシュポスの子のハルモスの娘クリューセーとアレースの子で〔パウサニアス、9巻36・1。〕、娘コローニスの父〔アポロドーロス、3巻10・3。ヒュギーヌス、202ほか。〕。一説によるとプレギュアースはボイオーティアの女性ドーティスとアレースの子とされ〔アポロドーロス、3巻5・5。〕、イクシーオーンの父であるとも〔エウリーピデース『イクシーオーン』断片(fr.424)。ロドスのアポローニオス、3巻62への古註による。 ピンダロス『ピュティア祝勝歌』第2歌40への古註b。〕、ラピテースの父であるともいわれる〔高津『辞典』298a。〕。 プレギュアースはテッサリアーのラピテース族の王といわれるが、ボイオーティアのオルコメノスの王であるともいわれ、娘のコローニスがアポローンとの間に医術の神アスクレーピオスをもうけたために、アスクレーピオスの聖域エピダウロスとも結びつけられる。 == 神話 == プレギュアースは好戦的で暴虐な人物で、アポローンの聖域デルポイを焼き打ちしたことで知られる。この冒涜的な行為のために、ウェルギリウスはプレギュアースが冥府で罰を受けている姿を描いた〔ウェルギリウス『アエネーイス』6巻618。〕。 ボイオーティアの伝承では、プレギュアースはオルコメノスの王エテオクレース(アンドレウスの子)の死後にオルコメノスの王となり、さらにプレギュア市を創建し、ギリシアの優れた戦士たちを集めた。彼らはプレギュアース人(プレギュアイ)と呼ばれ、ギリシア人でも特に好戦的な部族として知られたが、やがて傲慢となり、周辺地域を荒らした末にデルポイを襲撃したという。アルゴス人のピラムモーンはこの戦いで戦死した。このためプレギュアイは神の怒りに触れ、雷、地震、さらに疫病に襲われて滅び、わずかな者だけがポーキスに逃げることができた〔パウサニアス、9巻36・2~36・3。〕。 ヘーシオドスによると、プレギュアースはアポローンの子アスクレーピオスを身ごもっていたコローニスをイスキュスと結婚させた〔カール・ケレーニイ『医神アスクレピオス』邦訳、p134。〕。エピダウロスの詩人イシュロスによればプレギュアースはエピダウロスの最初の王で、ムーサの1人エラトーとマロスの娘クレオペマーと結婚したと述べ、娘アイグラーはその美しさからコローニスと呼ばれたという〔カール・ケレーニイ『医神アスクレピオス』邦訳、p.48~49。〕。対してパウサニアスは、プレギュアースが視察のためにエピダウロスにやって来たときにはすでにコローニスはアポローンの子を身ごもっていて、エピダウロスでアスクレーピオスを出産したと述べている〔パウサニアス、2巻26・3~26・4。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「プレギュアース」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Phlegyas 」があります。 スポンサード リンク
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