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プロカルシトニン : ウィキペディア日本語版
プロカルシトニン
プロカルシトニン(procalcitonin,PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺C細胞において生成されるアミノ酸116 個よりなるペプチドである。
== 医療での意義 ==
上記のように、通常は甲状腺での生成が主である。しかし、細菌真菌寄生虫による重篤な感染症においては、TNF-α,インターロイキン-1(IL-1),IL-6などの炎症性サイトカインにより誘導され、小腸を中心として産生され、血中に分泌される。一方、ウイルス感染ではT細胞によるインターフェロン(IFN)-γ産生が増加することでプロカルシトニンの産生の抑制が起こり血中濃度は上昇しにくくなる。そのため、ウイルス、自己免疫疾患による症状と、細菌・真菌・寄生虫によるものとを鑑別するために有用とされている。
* プロカルシトニン値は市中肺炎患者の重症度を判定する際に重要な手法になりうるとの報告もある〔European Respiratory Journal(2008; 31: 349-355)〕。
* 敗血症を含む細菌性感染症と非細菌性感染症との鑑別に、プロカルシトニンはβ-D-グルカン血液培養エンドトキシンIL-6CRPなどよりも優れていることが示唆された〔Multicenter prospective study of procalcitonin as an indicator of sepsis. J Infect Chemother 2005;11:152–9.〕。
* 膠原病の悪化群に比べて細菌感染症群は有意にプロカルシトニンが上昇するため、プロカルシトニン測定が両者の鑑別に役立つとする報告がある〔Clinical and Experimental Rheumatology (2006; 24: 123-128)〕。膠原病の治療中にはステロイド免疫抑制薬の使用により発熱やCRPがマスクされて、感染症が見逃されてしまうことがあるが、プロカルシトニンはその影響を受けにくいことによる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「プロカルシトニン」の詳細全文を読む



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