|
プロジェクト・グーテンベルク(''Project Gutenberg''、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。印刷の父、ヨハネス・グーテンベルクの名を冠し、人類に対する貢献を目指している。 == 歴史 == プロジェクト・グーテンベルクは、マイケル・S・ハートによって1971年に創始された。当時イリノイ大学の学生であったハートは、学内の材料研究所にある大型汎用コンピュータXerox Sigma Vへのアクセス権を得た。管理者が親切であったおかげで、実質的に無制限な(当時の価値で100万ドルとも1000万ドル相当とも算出されている〔The History and Philosophy of Project Gutenberg 、1992年8月〕)コンピュータ時間を利用できるアカウントを貰った。ハートは、なにか大きな価値があると思われることをして、この贈り物に「お返し」をしたかったのだ、と述べたことがある。 このコンピュータは、たまたま(のちにインターネットに発展する)コンピュータネットワークの15個のノードの一つであった。ハートは、コンピュータが一般人にも扱えるようになる時代がくると信じ、文学作品を電子的な形で自由に利用できるようにしようと決めた。たまたま鞄の中にはアメリカ独立宣言の冊子があったので、これがプロジェクト・グーテンベルクの最初の電子テキストになった。 プロジェクトの名前は、15世紀に印刷革命を起こしたドイツ人、ヨハネス・グーテンベルクに拠り、ハートが名付けた。 1990年代の中頃まで、ハートはイリノイ州のベネディクティン大学で運営をしていた。より多くのボランティアがこの活動に参加するようになったが、スキャナやOCRソフトが発展して広く利用できるようになるまでは、大部分のテキストが手作業で入力されていた。 のちに、カーネギー・メロン大学がプロジェクトの財政管理を承諾した。電子テキストの量が増えると、ハートが行っていたプロジェクトの日常業務までをも、ボランティアが引き継ぐようになった。 2000年に、法的な事柄に対処するため、NPO法人Project Gutenberg Literary Archive Foundation, Inc.がミシシッピ州に設立された。寄付金が税金控除の対象となる。長年プロジェクトのボランティアをしてきたGregory Newbyが、法人の初代CEOになった。 同じく2000年、Charles FranksがDistributed Proofreadersという、スキャンされたテキストの校正を、インターネットを通じて、たくさんのボランティアに任せることができるウェブサイトを作った。この試みにより、プロジェクト・グーテンベルクに追加されるテキストの量や種類は増し、同時に新しくボランティアを始めやすくなった。 イタリア人のボランティアPietro Di Miceliが最初にプロジェクト・グーテンベルクのウェブサイトの作成、管理を行い、プロジェクトのオンラインカタログの整備を始めた。10年(1994年から2004年)の間に、プロジェクトのウェブページは多数の賞を獲得。しばしば「最高のウェブサイト」リストに載り、本プロジェクトの認知度上昇に貢献した。 2004年にはじまった、オンラインカタログの刷新は、プロジェクト・グーテンベルクのコンテンツの閲覧やアクセス、リンクをより容易にした。 現在、プロジェクト・グーテンベルクは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校のibiblio内にホストされている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「プロジェクト・グーテンベルク」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|