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液化石油ガス(えきかせきゆガス、、LPガス、LPG)は、プロパン・ブタンなどを主成分とし、圧縮することにより常温で容易に液化できるガス燃料(気体状の燃料)の一種である。一般にはプロパンガスともよばれるが、語義としては極めて不正確である。家庭・業務用はプロパンが主体であるが、工業用の主体はブタンであり、家庭・業務用でもプロパンが純物質でないため、プロパンガスと呼称することは適当とは言い難いのである。 液化石油ガスの名前から「完全な石油生成物」と誤解されやすいが、天然ガス随伴など石油由来以外のものも世界的に約半分を占める。通常、天然ガスはメタンが主成分だが、次に重いエタンよりプロパンとブタンは重く、これらを多く含むウェットな天然ガスから分離される。あるいは石油の精製過程で分離される。天然ガスに比べ熱量が大きい。LPGは重量あたりの典型的な発熱量は46.1MJ/kgで燃料油42.5MJ/kg、プレミアムガソリン43.5MJ/kgより高い。 == 精製・貯蔵・輸送・販売 == 油田・天然ガス田または製油施設などの副生ガスから不純物を取り除き、簡単な圧縮装置や冷却容器で液化する。20℃での圧縮圧力はブタン0.21MPa(約2.1気圧)、プロパン0.86MPa(約8.5気圧)で〔蒸気圧計算 に基づく。因みに30℃ではブタン0.28MPa(約2.8気圧)、プロパン1.11MPa(約10.9気圧)である。〕容易に液化でき、体積は気化ガス時の250分の1になり、可搬性に優れる。このときのガス自体は無色、無臭の気体である。耐圧の低いタンクで貯蔵・輸送が可能である。 また、ガスが漏れると爆発を起こしやすく危険なことや、さらに、比重が空気より重く下に滞留するためガスが漏れた際に感知できるようメルカプタン等を添加して着臭(タマネギの腐ったような臭いと表現されることが多い)し最終消費者へ供給される。 大量輸送の場合は、専用船(LPG船)・タンクローリーが使用される。LPG自動車は専門のガス(ガソリンではない)スタンドが「LPガススタンド」として存在する。(日本では約1900ヶ所)小分け配送の場合10kgから50kgのボンベに詰められる。家庭用は、専業の販売業者のほか米穀店(米屋)や灯油などの燃料店や酒屋が兼業しており、一緒に配達される。また、携帯用燃焼機器用に専用容器に充填して販売されている。 販売に当たっては、カセットボンベなどの一部を除き、液石法に基づき、経済産業大臣または都道府県知事への登録が必要となる。 1997年(平成9年)にはバルク供給システムも認可されており、最終消費者に貯槽を設置し、その貯槽へのガスの直接供給・運搬装置として、バルクローリーが使用される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「液化石油ガス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Liquefied petroleum gas 」があります。 スポンサード リンク
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