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ヘテロダイン()とは、ラジオや信号処理で、2つの振動波形を合成または掛け合わせることで新たな周波数を生成すること。信号の変調および復調、興味のある情報を扱いやすい周波数帯域に移すなどといった用途に使う。この操作は真空管やトランジスタなどの信号処理デバイスを使って実施する。2つの周波数を混合すると、三角関数の性質によって新たに2つの周波数が生じる。1つは混合する2つの周波数の和であり、もう1つはそれらの差である。通常、変調時は和の方だけ、復調時は差の方だけを必要とする。必要としない方の信号は、後続の同調回路を通過できないか、フィルタ回路によって除去される。 == 語源と用法 == ヘテロダインという単語はギリシア語の「」(異なる)と「」(力)に由来する。この技法を発明したのは、カナダ人技術者レジナルド・フェッセンデンである。 スーパーヘテロダイン受信機が入力周波数を中間周波数に変換する際に、この原理を利用している。入力信号を受信機内部(局部発振器)で生成した信号と混合し、和と差の周波数を生成する。これにバンドパスフィルタを使い、必要な方だけを取り出す。フィルタは通常固定であり、一般にAM放送の場合は455kHz、FM放送の場合は10.7MHzを使う〔堀桂太郎著「アナログ電子回路の基礎」p.89 東京電機大学出版局、2003年、ISBN 4-501-32290-X〕。代わりに内部(局部発振器)で生成する信号の周波数を変化させることで選局する(つまり、例えば差が455kHzとなるような周波数だけを選別するので、内部で生成する周波数を変化させれば同調する周波数が変化する)。 光ヘテロダイン検出受信機は、アンテナを使って電場を検出するのではなく、光に対してヘテロダイン操作を行い、その結果を光電効果で電気に変換して処理する。さらに言えば、光ヘテロダイン検出において、局部発振器の発する光の帯域幅と入力信号ビームの帯域幅は解析において無視できない広さである。一般にそれらを混合した結果の方が帯域幅がずっと狭くなるため、処理しやすい。 「ヘテロダイン」という用語は、上述したヘテロダイン操作で信号を混合することで得られる新たな周波数の1つを指すこともある。 File:Superhet-1404kHz.png|1404kHzの信号。0.00005秒 File:Superhet-1859kHz.png|1859kHzの信号。0.00005秒 File:Superhet-mix1.png|変位の積。455kHzの成分と3263kHzの成分があることが見てとれる File:Superhet-mix2.png|変位の和(参考。音響でいう「うなり」。455kHzでうなっている) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヘテロダイン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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