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ヘヴィサイドの展開定理 : ウィキペディア日本語版
ヘヴィサイドの展開定理[へヴぃさいどのてんかいていり]
ヘヴィサイドの展開定理(ヘヴィサイドのてんかいていり、Heaviside expansion theorem)は、ある種の関数ラプラス逆変換を与える定理である。オリヴァー・ヘヴィサイドはイギリスの電気技師。有理関数に関するもののみを指す場合が多いが、より一般の有理型関数に対する主張へ拡張される〔一松信他編『新数学事典』大阪書籍、1980年、p. 548〕。以下では、有理関数のみ扱うものとする。
== 概要 ==
''P''(''s''), ''Q''(''s'') は共通因子を持たない実数係数多項式で、次数は ''P'' の方が小さいとし、有理関数 ''F''(''s'') = ''P''(''s'') / ''Q''(''s'') のラプラス変換による原像を求めたいものとする。代数学の基本定理より、分母 ''Q''(''s'') は複素数の範囲で一次式の積に分解できて
:F(s)=\frac
となる。これを部分分数分解すれば
:F(s)=\sum_^r \sum_^ \frac
の形になる。ここに、各係数は
:A_=\frac \lim_ \frac((s-a_i)^F(s))
で与えられる。各部分分数の原像は
:\mathcal^\left\frac \right = \fract^\exp(at)
で与えられるので、''F''(''s'') の原像が求まる。
以上より、有理関数のラプラス逆変換は理論的には求まるが、計算しやすい公式の形で与えられたものを「展開定理」と称することが多い。その式の形は文献によって多少の差異があるが、本質的には同じものである。
''Q''(''s'') が虚根を持つ場合、一旦は虚数が現れるが、オイラーの公式を用いて三角関数に変形すれば、実関数の範囲で原像が求まる。計算上は、複素数の範囲で一次式に分解するのではなく、実数の範囲で高々二次式にまで分解しておき、
:\mathcal^\left\frac \right = \exp(at) \sin (\omega t)
:\mathcal^\left\frac \right = \exp(at) \cos (\omega t)
などを用いる方が実践的である場合もある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヘヴィサイドの展開定理」の詳細全文を読む



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