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ベイトマンの原理(ベイトマンのげんり)とは生物学において、ほぼ常にメスの方がオスよりも繁殖に大きなエネルギーを費やし、そのためにほとんどの種でメスはオスにとって希少資源となることを示した理論〔Bateman, A. J. 1948. Intra-sexual selection in Drosophila. Heredity 2: 349-368.〕。 == 概要 == 通常、メスは子孫を作るのにオスより多くの投資を行う。メスは多くのオスとつがいになっても、自分で生産できる以上の子を持つことはできない。一方、オス一個体は容易に多くのメスの卵を受精させることができる。オスはメス一個体よりも遥かに多くの子の父親となれる可能性を持っている。概して、オスの繁殖成功度は、多くのメスとつがいになればなるほど増大する。メスの繁殖成功度はより多くのオスとつがいになっても増大しない。この結果、オスはメスを争って互いに競争し、メスはどのオスとつがいになるか慎重に選好する。これが性淘汰の原因である。 ベイトマンの発見はショウジョウバエの配偶行動の観察から得られた。彼はこの差が配偶子生産にかかるコストの違いであると考えた。大きな配偶子(卵)を生産する性であるメスは、小さな配偶子(精子)を生産するオスより常に大きなコストがかかる。 *「メスは限られた数の子しか持つことができないが、オスは実質的に無制限な数の子を持つことができる。オスが、彼と交配しても構わないと思っているメスを見つけられるかぎり」 「その結果、一般に、メスはだれと交配するかに関してより強く選り好みする」 -キャスパー・ヒューエット(2003) *「オスは彼が受精できる卵子の数を遙かに超えた数の精子を容易に生産することができる、…したがって、求愛や縄張り争い、その他のオス同士の争いが展開される」 -ジョージ・ウィリアムズ(1966) * 「ほとんどの動物では、メスの繁殖は卵に多くの栄養をつぎ込まなければならないことによって厳しく制限される。哺乳類では、それに相当するのは胎児の養育と母乳の生産である。しかしオスの場合は精子の生産で繁殖が制限されることはめったにありそうにない。むしろ彼にとって制限となるのは、受精させる機会か手の空いているメスの数で… そして、一般的には、メスの繁殖はオスと比べて大きく制限されることになる… これはほとんど常にオスの無分別な熱意とメスの思慮深い受け身の組み合わせが見られる理由を説明している。」 -A・J・ベイトマン(1948) *「一夫多妻の種の中では、オスの繁殖成功度における差はメスの繁殖成功における差より遥かに大きい傾向がある」 -ジュリアン・ハクスリー(1938) *「メスは(まれな例外はあるが)オスほど熱心ではない… 彼女たちは内気で、長い間オスから逃げようと努力しているのがしばしば見られる」 -ダーウィン(1871) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ベイトマンの原理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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