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射出座席(しゃしゅつざせき、ベイルアウト)は、航空機から非常時に脱出するための装置。作動させると、搭乗者は座席ごとロケットモーターなどによって機外へと射ち出され、パラシュートで降下する。主に戦闘機など小型の軍用機に装備されている。 == 歴史 == 航空機が開発された初期の頃から第二次世界大戦の頃までは、航空機の速度は比較的低速であり、脱出はそれほど困難ではなかった。そのため、射出座席はほとんど使用されず、脱出はパラシュートを搭乗前にあらかじめ装備しておき、脱出時は自力でコックピットから飛び降りる方式がほとんどであった〔現在でも、射出座席が装備されていない航空機では、この方式はいまだ現役である〕。しかし、このような脱出方法だとコックピットから飛び出した後に自機の尾翼にぶつかる可能性があり、実際にその様な事故が多発したため、第二次世界大戦中のドイツの一部の航空機(He 219、Do 335、He 162など)には圧縮空気で打ち出すタイプの射出座席が装備されていた。世界初の射出座席搭載機は、ドイツのHe 280 V1である。 射出座席を本格的に実用化したのは、イギリスのマーチン・ベーカー社で、第二次大戦中から開発を行っていた。マーチン・ベーカー社が開発をしていた射出座席は、ドイツが採用していた圧縮空気より力のある火薬式のものだった。なお、マーチン・ベーカー社は現在でも射出座席の代表的メーカーのひとつである。 射出座席が一般的に使用されるようになったのは、航空機がレシプロ機からジェット機になり急激に高速化した第二次大戦後である。空気抵抗は速度の2乗に比例するため、速度が2倍になった場合、体が受ける抵抗は4倍にもなる。そうなると機体から自力で脱出するのは非常に困難であるため、射出座席が装備されるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「射出座席」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ejection seat 」があります。 スポンサード リンク
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