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ベンジル酸転位 : ウィキペディア日本語版
ベンジル酸転位[べんじるさんてんい]
ベンジル酸転位(ベンジルさんてんい、benzilic acid rearrangement)とは、有機化学における転位反応のひとつで、ベンジル水酸化カリウムを作用させるとフェニル基が 1,2-転位を起こしてベンジル酸のカリウム塩を与える反応である〔Ballard, D. A.; Dehn, W. M. ''Organic Syntheses'', Coll. Vol. 1, p.89 (1941); Vol. 1, p.29 (1921). オンライン版 〕。最初の研究はユストゥス・フォン・リービッヒによって1838年に示された〔Liebig, J. ''Annalen der Chemie'' 1838, ''25'', 1-31.〕。脂肪族の 1,2-ジケトンを基質として α-ヒドロキシカルボン酸を与えた例も知られる〔Schaltegger, A.; Bigler, P. ''Helv. Chim. Acta'' 1986, ''69'', 1666.〕。

== 機構 ==
近年の量子化学計算の結果〔Yamabe, S.; Tsuchida, N.; Yamazaki, S. ''J. Org. Chem.'' 2006, ''71'', 1777-1783. DOI: 10.1021/jo051862r 〕から支持された機構を図示する。
カルボニル基に対するヒドロキシドアニオンの付加から反応が開始する。付加体 2 から 3 への軸回転後に起こる 4 への R基の 1,2-転位は協奏的であるとされた。4 と溶媒の水の間でプロトンの移動を起こして 5 となり、酸で処理した段階で 6 が得られる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ベンジル酸転位」の詳細全文を読む



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