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ペンタレン(pentalene)は、化学式 C8H6 で表される二環式炭化水素である。5員環同士が縮環した炭化水素で、二重結合と単結合が交互に並んだ構造を持つ。ナフタレンやアズレンがπ電子の非局在化により、二重結合と単結合の中間程度の結合長を持つのと異なっている。 またナフタレンやアズレンが非常に安定であるのに対し、ペンタレンの誘導体は非常に不安定でありほとんどの場合単離は不可能である。これは8電子の環状π電子系を持ち、反芳香族性を示すためである。 == 歴史 == ペンタレンを部分構造をして持つ化合物としては、すでに1912年に5,10-ジフェニルインデノインデンが合成されていた。1922年にロバート・ロビンソンらは、ペンタレンをまだ発見されていない芳香族化合物の一員として提唱した。しかしペンタレンが芳香族化合物であるという考えは、1931年にエーリヒ・ヒュッケルによりヒュッケル則が提唱されると覆されることになった。 縮環構造の一部ではないペンタレン構造を持つ化合物として初めて合成されたのはヘキサフェニルペンタレンであり、1962年に合成された。また1973年にはアルキル置換ペンタレンを合成する一般的な方法が開発され、それを利用して1,3,5-トリ-''tert''-ブチル置換体が単離された。1,3,5-トリ-''tert''-ブチル置換体はNMRやX線結晶構造解析などによりその構造が詳しく研究されている。 無置換のペンタレンは1997年にマトリックス単離法によりはじめて存在が確認された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ペンタレン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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