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ボクシング・カンガルー(ボクシングをするカンガルー、)とは、オーストラリア国家を動物になぞらえた(擬人化した)キャラクターで、ボクシンググローブを前足にはめたカンガルーの姿をしている。イギリスを擬人化したジョン・ブルやフランスを擬人化したマリアンヌ同様、オーストラリアを戯画化する際に使われる。 またオーストラリア代表選手が出場するスポーツイベント、例えばクリケット、テニス、サッカーなどの国際大会や、コモンウェルスゲームズ、オリンピックなどでは、オーストラリア人観客が緑地に赤いグローブをはめた黄色いカンガルーをあしらった旗を振る姿が見られ、このボクシング・カンガルーの旗は「オーストラリアのスポーツの旗」となっている〔Gloves off over boxing kangaroo dispute 〕。 == 歴史 == カンガルーがボクシングをするという発想は、カンガルー同士が戦ったり身を守ったりする際の振る舞いから来ている。カンガルーは前脚を使って相手をその場におさえ、長い後脚を使って相手を蹴ったり、後脚の爪で引っかいたりする。これは、人間にはカンガルー同士があたかもボクシングをしているように見える。 ボクシングをするカンガルーの絵は、少なくとも1891年には登場している。この年、シドニーの新聞に「戦うカンガルー・ジャックとレンダーマン教授」という一コマ漫画が掲載されている〔http://archive.is/20120912145358/www.historycooperative.org/journals/lhr/21.3/images/golder_fig1b.jpg〕。この漫画のもとになったのは、19世紀後半にオーストラリア内陸のアウトバックの町々を巡回していた、カンガルーと人間がボクシングで戦うという見世物であった〔Australian Vexillology 〕。1895年には、ドイツの発明家マックス・スクラダノフスキー(Max Skladanowsky)が監督したサイレント映画『Das Boxende Känguruh』が、1896年にはイギリスの発明家バート・エーカーズ(Birt Acres)が製作したサイレント映画『The Boxing Kangaroo』が公開され、どちらにもカンガルー対人間のボクシングが登場している。ボクシングをするカンガルーは世界的に人気を博し、1920年の短編アニメーション映画『The Boxing Kangaroo』、1935年のディズニーの短編映画『ミッキーとカンガルー』などにも登場している。カンガルーはボクシングをする生き物、というクリシェがこうして定着した〔TV Tropes: Boxing Kangaroo 〕。 第二次世界大戦では、ボクシング・カンガルーはオーストラリア空軍(RAAF)の象徴となった。1941年頃、シンガポールとイギリス領マラヤに拠点を置いていたRAAF第21飛行中隊は、イギリス軍機との区別のため、機体にボクシンググローブをはめたカンガルーの姿をステンシルで赤く塗った。これが他の部隊にも広がり、オーストラリア海軍の艦船にまでボクシング・カンガルーが描かれるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ボクシング・カンガルー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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