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ポストモダニティ : ウィキペディア日本語版
ポストモダニティ

ポストモダニティ(''Postmodernity'', ''post-modernity'')は、一般的に言ってモダニティ〔近代性〕のに出現するとされる経済的・文化的な状態もしくは社会状況を表現するために使われる言葉である。ポストモダン状況(''postmodern condition'')ともいう。モダニティは20世紀後期に終焉し、ポストモダニティに置き換わった、とする考え方がある一方で、モダニティをポストモダニティが示すところの諸発展に拡大適用しようとする向きもある〔http://www.stwing.upenn.edu/~durduran/dergi/tony1.htm〕。
ポストモダニティは、ポストモダン社会に対する個人的反応、ある社会においてそれをポストモダンたらしめる諸条件、あるいはポストモダン社会に結びつけられる存在状況を意味することもある。ほとんどの文脈においてポストモダニティはポストモダニズムとは区別されるべき言葉として使われる。後者はポストモダン哲学や芸術・文学・社会におけるポストモダンな特徴をいう場合に意図的に採用される言葉である。
==語の用法==

ポストモダニティとはポストモダン状況にあるということであり、ポストモダン芸術がそうであるように、モダン状況の後にくるもの、もしくはモダン状況に対する反動である(ポストモダニズムを参照のこと)。モダニティと定義される時代あるいは状況とは、大まかに言って進歩の時代であり、産業革命啓蒙主義の時代であるとされる。哲学批判理論においてポストモダニティという言葉が表すのは、モダニティのに出現するとされる社会状況であり、モダニティが終わったとするに足る徴候を呈した歴史状況である。この用法は哲学者ジャン=フランソワ・リオタールジャン・ボードリヤールに帰せられる。
近代の「企画」のひとつは、公共生活や芸術的生活に合理性階層秩序の原理を組み入れることによって進歩を促進することであった、とハーバマスは述べた(ポスト工業化社会情報化社会も参照のこと)。リオタールは、モダニティとは進歩を追求しながら絶え間なく変化し続けることを特徴とする文化状況であると解釈した。したがってポストモダニティとは、この過程が頂点に達し、絶え間ない変化が常態となり、進歩という概念が時代遅れとなってしまった状を表している。絶対知や全体知の可能性に関するルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの議論の後に続けて、リオタールはさらに、実証主義的科学マルクス主義構造主義といった、進歩に関するさまざまなメタ物語は、進歩を達成する諸方法と同様に潰えているのだ、と論じた。
文芸評論家フレドリック・ジェイムソンと地理学者デヴィッド・ハーヴェイは、ポストモダニティを「後期資本主義」や「柔軟な資本蓄積」と結びつけた。それは金融資本主義の後に続く資本主義の段階であり、可動性の高い労働と資本、およびハーヴィーが「時間と空間の圧縮」と呼ぶものに特徴付けられる。かれらの示唆するところ、これは第二次世界大戦後の経済秩序を規定した(と彼らが信ずるところの)ブレトン・ウッズ体制の崩壊と時を同じくする(消費社会批判理論も参照のこと)。
おおよそモダニティとは時代遅れか、完全な失敗であり、アウシュビッツ広島のような惨事につながる人類の進歩における瑕瑾であったと考える人々は、ポストモダニティを肯定的な発展と捉える。多くの哲学者、とりわけ近代の企画の内側にいることを自認する人々は、ポストモダニスト的発想をもつことで想定される結果、という意味でポストモダニティという言葉を用いる。特にユルゲン・ハーバマスらは、ポストモダニティとは長い歴史をもつ反啓蒙思想の再来を表しており、近代の企画は完了していないのであり、普遍性とは軽々しく不要と断ずることのできないものである、と主張する。この文脈においては、ポストモダン的発想を抱くことの帰結たるポストモダニティは概して否定的な言葉である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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