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戦艦(せんかん、battleship)とは、軍艦の艦種の一つで、海戦で砲撃戦に特化し決戦の主力を務めることを目された艦種を指す。攻撃力と防御力ともに最強を狙い、強大な艦砲射撃の火力と、敵艦からの艦砲射撃や雷撃に耐える堅牢な防御力を備える。第二次世界大戦までは、各国海軍の主力兵器であり国家戦略をも左右するとされ、「主力艦」とも呼ばれた。 しかし第二次世界大戦においては、航空母艦(および艦載機)が実戦でその戦力の高さを示し、機動性・汎用性・コストパフォーマンスの面で劣る戦艦は主力の地位を譲った。 第二次世界大戦後は、戦艦は運用機会や存在意義自体が失われたことから各国で除籍され、そのまま海上博物館などとして各地で記念艦として活用されていたが、1980年代のレーガン政権が掲げたアメリカ海軍力増強政策による冷戦集結を実現すべく、1950年代以来30年ぶりに戦艦4隻が現役復帰し、湾岸戦争では実戦投入され戦果を挙げたが、その後1991年12月25日にソ連崩壊を見届け、冷戦末期における再就役の目的を達して退役した。これにより、日本の元号では平成初期まで、軍艦種「戦艦」は現役であった事となったが、アメリカ海軍においても全艦が1993年までに完全退役した。その後主砲の替わりに対艦ミサイルが主力兵装となった現代の水上戦に向けて新たに戦艦が建造される可能性も限りなく低いため、湾岸戦争での活躍が最後の戦艦が参加した戦争になるといわれている。2016年現在では戦艦と呼ばれる艦種を運用する国はない。 == 概要 == 軍艦の艦種としての戦艦は、その強大な艦砲による火力と堅牢な防御力により、敵艦船の撃滅を主任務とした。多数の大口径砲を搭載し、自己の主砲弾と同等の砲弾が命中しても耐える強固な装甲を装備した。そのため、船型は全長を多少抑制しつつ巨大となり、速力も同時期の巡洋艦、駆逐艦より劣ったが、第二次世界大戦までは、大型航空母艦に次ぐ規模の大型軍艦だった。第二次世界大戦まで海軍の主力とされ、「主力艦」と呼ばれていた。 戦艦は、その建造及び維持に膨大な費用がかかるため、大規模な保有は当時の列強国に限られた。戦艦が出現した19世紀後半から20世紀半ばにかけては、戦艦の保有隻数などが国力のシンボルとされ、政治・外交の局面でも重視された。ただし戦艦は高価な事とその存在の重要性から、安易に戦闘に投入するのを避けられる場合もあった。 しかし、第二次世界大戦中に海軍兵力の主力が航空機と航空母艦そして潜水艦となったため、戦艦は戦術的価値を大きく減じた。戦後においては、新兵器であるミサイルが艦砲に変わる存在となると更にその価値を減じることとなった。東西冷戦期には大規模な艦隊同士の海戦などもなく、過去の存在となった戦艦は、各国とも順次退役除籍され、現在この艦種を保有する軍隊は存在しない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「戦艦」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Battleship 」があります。 スポンサード リンク
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