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ポピガイ・クレーター : ウィキペディア日本語版
ポピガイ・クレーター

ポピガイ・クレーター (、 )はロシアクラスノヤルスク地方 (旧タイミル自治管区) にある、直径約100 kmの衝突クレーターである。クレーターの一部はサハ共和国のアナバル地域に及ぶ。地球上の衝突クレーターの中で、マニクアガン・クレーターとともに第4位の大きさであり、ユーラシア大陸にある衝突クレーターとしては最大である。
約3,500万年前の始新世後期に直径数kmの小惑星が衝突したことにより形成された。アメリカ合衆国東海岸で近年発見されたチェサピーク湾クレーター (直径約90 km) と形成の地質年代が近いことが明らかになっており、2つの天体衝突の関連性や、相次いだ巨大衝突が始新世から漸新世への生物相の移行に与えた影響について、各方面から研究が進められている。
== 概要 ==
ポピガイ・クレーターはロシア極北シベリア中部のアナバル楯状地北縁にある。最も近い町はクレーターの中心からおよそ400 km北西にあるカタンガ村で、そこからヘリコプターで1時間半かかる〔 〕。クレーターはポピガイ川中流のほとりにあり、クレーターの南東から北へとポピガイ川が流れる。
直径約100 km、最大深さ150-200 mで、中心から直径約45 kmの隆起リング、直径約60 kmの環状のへこみ、幅約20 kmの環状の台地という、複合構造をしている〔 〕。クレーターおよびその周囲には、衝突角礫岩 (スーバイト) や衝突溶融岩 (タガマイト) が認められていて、このクレーターが隕石衝突によってできたことを示している。ポピガイ構造に含まれる衝突融解物の総容量は1800 km3を超えると推定され、サドベリー盆地に次いで地球上で2番目の規模である。
衝突融解岩の40Ar-39Ar年代によって、ポピガイ・クレーターの形成は3570±20万年前 (始新世後期) だったと見積もられている〔 〕。
この衝突構造は地表に露出しているにもかかわらず、僅かにしか浸食されていないため、衝突に伴う岩石がよく保存されていて貴重である。他の巨大クレーターは、堆積物で覆われていたり (チクシュルーブ・クレーター)、大きく変形していたり (サドベリー盆地)、著しく浸食されている (フレデフォート・ドーム)。ポピガイ・クレーターは特別な地質遺産の地として、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) によって世界地質遺産 (ジオパーク) に指定された〔 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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