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ポリアデニル化(英:Polyadenylation)はRNAにポリA鎖(poly-A tail)を付加することである。ポリA鎖は多数のAMPから構成されており、RNAをアデニン塩基で伸長することに相当する。真核生物では、ポリアデニル化は翻訳可能な成熟mRNAを生産するために不可欠であり、広い意味では遺伝子発現過程の一部であるといえる。 ポリアデニル化は転写終了時から始まる。特定のタンパク質複合体がRNA3' 末端のセグメントを切り離し、そこからポリA鎖を合成する。いくつかの遺伝子では、切断できる部位が複数あり、その内1箇所にポリA鎖が追加される。そのため、ポリアデニル化は選択的スプライシングのように、1つの遺伝子から複数の転写産物を作り出す〔。 ポリA鎖はmRNAの安定性に関わり、核外輸送、翻訳に重要である。これは時間と共に短くなり、十分に短くなった時点でmRNAは酵素により分解される。だが、少数の細胞では、ポリA鎖の短いmRNAが再度のポリアデニル化に備えて細胞質に蓄えられている〔。細菌ではこれと反対に、ポリアデニル化はRNAの分解を引き起こす。これは真核細胞の非コードRNAでも見られる。ポリアデニル化が生物全般に見られることは、これが生命の歴史の中で早い段階に進化したことを意味する。 ==背景== :''RNA・mRNAも参照'' RNAは巨大な生体分子で、ヌクレオチドが繋がって構成されている。ポリA(ポリアデニル酸)とは、RNA塩基(A:アデニン・U:ウラシル・G:グアニン・C:シトシン)のうち、Aのみが繋がったものである。RNAは通常、鋳型DNAから転写されることで合成される。転写は5' 末端から3' 末端に向けて進むため、塩基配列も5'から3'に向けて表記される。ポリA鎖が付加されるのは3' 末端である。 伝令RNA(mRNA)は翻訳されてタンパク合成の鋳型となるコーディング領域を含む。その他の部分は非翻訳領域と呼ばれ、mRNAの活性を制御している。非コードRNAという翻訳されないRNAも多くあり、非翻訳領域と同じように様々な制御を行う。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポリアデニル化」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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