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ポリオワクチン : ウィキペディア日本語版
ポリオワクチン

ポリオワクチン(ぽりおわくちん )は、ポリオウイルスの感染によって発症する、主として片側性の急性弛緩性麻痺(aute flaccid paralysis:AFP)や、急性灰白髄炎(もしくは脊髄性小児麻痺)を疾患した人、及びポリオウイルスによる感染を予防する為の薬品。
ポリオワクチンには不活性化ワクチン(IPV)と経口生ポリオワクチン(OPV)の2種類がある。
1952年、最初のポリオワクチンは、ジョナス・ソークによってHeLa細胞株に使用された臨床が初の試みとされている。
1955年4月12日、トーマス・フランシス・ジュニアによって不活性化した(死んだ)ポリオウイルスを注射したと世界中に公式に発表され、アルバート・サビンによって開発された経口生ポリオワクチンは,ポリオウイルスを弱毒化したものが使用された。
サビンワクチンの治験は1957年に開始され、1962年にワクチンとして認可される。
ポリオワクチンの接種対象は、生後3か月以上90ヵ月未満であるが、乳幼児がおもに罹患する為、生後3~18ヵ月が標準の接種年齢として示されている。
ワクチン接種によって人から人へのウィルス感染を防止することは、世界規模のポリオ根絶のために重要である。なぜなら免疫を得たヒトの体内ではポリオウィルスは短期間しか保因状態になりえず、霊長類以外が保有宿主になることは決してなく、また宿主から離れた環境でウィルスが長期間生きることはまずありそうにないからだ。
二種類のワクチンによって世界の殆どの国からポリオは根絶され、1988年には350,000件発生していたポリオは2012年には223件に減少した。
一般的に予防接種は、免疫原と共に免疫系を賦活するために行われる予備刺激を働かせ、免疫応答を刺激する事で、感染因子から免疫性を与えるとされる。野生株のポリオウィルスからの感染(人から人)を防ぐ為に効果的な免疫性の開発こそが、ワクチンを受けた接種者と免疫集団を保護する〔。
ポリオワクチンは、基本的医療システムで必要とされる最も重要な医薬品を列挙したWHO必須医薬品モデル・リストに含まれている。
== ポリオウイルス ==

ポリオウイルスはピコルナウイルス科のエンテロウイルスに属する。ピコルナウイルス科は非常に小さい(直径30nm)エンベロープはなく、多面体のカプシドをもつ(+)センスRNAウイルス
である。ポリオウイルスは経口的に人の体内に入り咽頭や小腸の粘膜で増殖し、リンパ節を介して血液中に入る。その後脊髄を中心とする中枢神経系に達して脊髄前角細胞や脳幹の運動ニューロンに感染し、これらを破壊する事でポリオの症状を生じる。
感染後、ウイルスは素早く宿主細胞のDNAやRNAの全ての機能を妨害する。ポリオの属するエンテロウイルス(エンテロはギリシャ語で”腸”を意味する)は、多くの化学物質に抵抗性があり、消化管を無傷で通過し、そこで増殖する事が出来る。もし宿主の防御機構で不活性化されなければ、ウイルスは血管やリンパ管に侵入し、身体全体、特に中枢神経に拡がる。公衆衛生が貧弱であるとエンテロウイルスは増加し、人口が過密であると広がりはひどくなる。このような環境下では、幼少期にこのウイルスに頻繁に曝されるので、大抵の子供達は
乳児期に感染を受ける。この時期だと麻痺を起こす事は少なく、年長や成人ではより麻痺に至りやすい。従って麻痺性ポリオは発展途上国ではあまり流行していない。ポリオウイルスは血清型から3種類(1型、2型、3型)に分類され、3種類ともポリオを発症させる。野生株によるポリオ発症は1型によるものが多く、次いで3型である。ポリオの診断は、咽喉スワブや便からウイルスを分離して、その細胞変性効果をみる事によって行われる。治療により症状を緩和出来るが、しかし呼吸筋が麻痺した患者は永久に“鉄の肺”の中で過ごさなければならない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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