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『ポーの一族』(ポーのいちぞく)は、萩尾望都による日本の漫画作品。『ポーの一族』シリーズは漫画雑誌『別冊少女コミック』1972年3月号から1976年6月号に断続的に連載され、その中核となる単独作品「ポーの一族」は1972年9月号から12月号に連載された。以下、シリーズ作品を『ポーの一族』、単独作品を「ポーの一族」と区別する。 == 概要 == 萩尾は「永遠にこどもであるこどもをかきたい」との発想から〔『萩尾望都マンガの魅力』(鈴木志郎康著 清山社 1978年)のインタビューより。〕〔『萩尾望都の世界 テレビランド増刊 イラストアルバム(6)』(徳間書店 1978年)のインタビューでは、「子どもっていうのはすぐおとなになっちゃうでしょう。つまらないなあ、と思って。年をとらないこと、つまりおばけとか吸血鬼とか、死んでしまった人の怨念とかいろいろ考えているうちに吸血鬼がでてきたのね。」と語っている。〕、石ノ森章太郎の「きりとばらとほしと」の吸血鬼の設定の一部をヒントにして『ポーの一族』の構想を思いつき〔『萩尾望都の世界 テレビランド増刊 イラストアルバム(6)』(徳間書店 1978年)の萩尾望都インタビューより。〕〔『CREA』1992年9月号「特集THE少女マンガ!! 夢の永久保存版」のインタビューより。〕〔『毎日グラフ』1986年10月26日号「COMIC界の“超少女”たち〔女性マンガ家インタビュー〕」では、「きりとばらとほしと」は小学校のときに読んだと語られている。〕〔石ノ森章太郎 萬画大全集 動画インタビュー 萩尾望都 では、「きりとばらとほしと」を読んだのは中学生ぐらいと語られている。〕〔『ユリイカ』(青土社)1981年7月臨時増刊号「総特集 少女マンガ」の吉本隆明との対談(「自己表現としての少女マンガ」)では、「きりとばらとほしと」を読んだのは小学校6年か中学校1年と語られている。〕、1972年、「すきとおった銀の髪」、「ポーの村」などの短編から描き始め〔『CREA』1992年9月号「特集THE少女マンガ!! 夢の永久保存版」のインタビューに、長編連載をやるには早すぎると編集から「待った」がかかったため、「すきとおった銀の髪」などの短編を小出しに描き、そんなにやりたいのならとようやく編集から了解が出たことが語られている。〕〔『週刊少女コミック』1976年3月28日号の『ポーの一族』とじ込みポスター裏面「萩尾望都の素顔初公開!!」に、「ポーの村」について「シリーズを続けるきっかけに!」と記されている。〕、同年8月から翌1973年6月にかけて当初の構想であった3部作〔『別冊少女コミック』1972年9月号掲載の「ポーの一族」第1話1ページ目に「不死の生命を持つバンパネラ……その一族を描く3部作〈第1話〉」と記されている。〕(「ポーの一族」、「メリーベルと銀のばら」、「小鳥の巣」)を連載した〔。 1974年に発売された単行本〔『少女コミック』掲載作品の単行本「フラワーコミックス」で、最初に発刊されたのが『ポーの一族』第1巻である。〕の初版3万部は発売から3日で完売し、『トーマの心臓』連載終了後〔雑誌『grape fruit(グレープフルーツ)』(新書館)1981年7月に掲載されたエッセイ「しなやかに、したたかに」(エッセイ集「思い出を切りぬくとき」(あんず堂 1998年 ISBN 4872822315、河出文庫 2009年 ISBN 4309409873)に所収)に、『トーマの心臓』の連載を打ち切って『ポーの一族』の続きを描くようにと主張する編集部の意向をかわしながら、『トーマの心臓』を最終回まで描き終えたことが記されている。〕、1974年12月「エヴァンズの遺書」でシリーズを再開、1976年5月「エディス」後編で終了した。 西洋に伝わる吸血鬼(バンパネラ〔『毎日グラフ』1986年10月26日号「COMIC界の“超少女”たち〔女性マンガ家インタビュー〕」で、「勉強にと“吸血鬼幻想”(種村季弘)を読み、スペルを読みちがえて“バンパネラ”。ああいう言い方はないんです。私、すごく多いんです。読みまちがい、聞きまちがい、描きまちがい。」と語られている。〕)伝説を題材にした、少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負わされた吸血鬼エドガーの物語。成長の代償に失うもの、大人になれない少年の姿が描写されている。200年以上の時間が交錯する構成で、舞台は18世紀の貴族の館から20世紀のギムナジウムまでさまざまである。作品発表当時としては異色の作品であり、少女漫画の読者層を増やした作品であると評価されている〔『AERA』2006年5月1日-8日合併増大号「萩尾望都 少女漫画が文学を超えた日」より。〕〔財団法人大阪国際児童文学館・日本の子どもの本100選 - 『ポーの一族』 。〕。 1976年、第21回(昭和50年度)小学館漫画賞少年少女部門を受賞。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポーの一族」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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