|
S&W M500は、アメリカのスミス&ウェッソン社が2003年に開発した超大型回転式拳銃。一般市場に流通する商品の中では驚異的な威力で世界最強の拳銃〔ハンドメイドの受注生産品を含めると、.600NEを使用するPfeifer Zeliskaが世界最強の拳銃となる。〕である。 開発時の目的としては、「.454カスール弾を超える弾薬を撃つことのできるリボルバー」である。 == 特徴 == 銃身長は4インチと8.375インチ、そして「ハンターモデル」と呼ばれる10.5インチのものがあり、使用する弾は.500S&Wマグナムという.50口径のマグナム弾である。この弾は.44マグナム弾の約3倍の威力を誇るといわれる。そのため、フレームには特大フレームであるXフレームを使用し、シリンダーの肉厚を確保できる装弾数5発になっている。これはS&W製リボルバーの構造上、装弾数を6発にするとシリンダーを停止させるシリンダーストップノッチがシリンダーホールと重なってしまい、肉厚を確保できなくなるためである。 「15フィート(4.5メートル)の距離から1インチ間隔に並べられた厚さ8分の7インチ(2センチ)の松板を、何枚貫通できるか」というテストでは17枚を貫通し、18枚目でやっと止まった(しかも傷つけた)といった結果が出ている。スーパーレッドホークの.44マグナム、.454カスールの記録を8枚ないし9枚も超える記録となっているが、実験に使用されたほかの弾薬の弾頭形状がホローポイントであるなど、M500に有利な条件で行われているため、対照実験とはいえない。運動エネルギーなど数値上ではかなり大きな威力があるように思えるが、実際の着弾時の打撃力などは.454カスールと比べても大差はない。これは、短い銃身(拳銃としては長め)から高圧なガス圧で重い弾頭を打ち出すため、他マグナム弾(高威力弾薬)と比べても弾頭の飛翔が不安定なためである。それゆえ、打ち出された後の弾頭速度は不安定な飛翔や銃身にこびり付く鉛カスなどにより、急速に低下する。たとえば、20メートルの距離において計測すると、運動エネルギーは.44マグナムと同等程度である。 弾丸の威力に比例して発射時の反動も相当なものになっているので、8インチモデルや10.5インチモデルはそれを抑制するためにあえて2kg前後の重量を持たせている。だが、それでも反動はすさまじく、「手の中で何かが爆発したような感覚」とまで言われる。そのため、連続して射撃すると10発前後で手が痺れ、文字を書くこともままならなくなる。この症状は個人差はあるが、場合によっては数日間続く。このことから、後遺症を招く欠陥銃であるという意見もある。ただし前述の通り、この銃は当初から「.454カスール弾を凌駕する、世界最強の威力を誇る拳銃」を目標として開発されたものであり、発砲後の怪我や後遺症などについては考慮されていない。発売時の宣伝でも「人間の限界に迫ったスペック。安易にこの銃を撃った場合、射手の健康は保障できない」と注意が添えられているほどである。それにもかかわらず、拳銃弾としては最大レベルの弾薬を使用できる拳銃として人気を獲得している。また、使用弾薬量にリボルバー特有のシリンダーギャップがあいまってシリンダーから大量の発射ガスが漏れ出るため、暗闇での射撃時やツーハンドホールドでの射撃時には注意する必要がある。 人気の高さから発売当初は全米から注文が押し寄せ、生産が間に合わなかったという。 4インチモデルにはコンペンセイターが装備されたため、8インチモデルより反動が緩和されており、銃自体もやや小さくなっている。また、2006年には「M500ES」と言われる2-3/4インチの短銃身モデルが発売されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「S&W M500」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Smith & Wesson Model 500 」があります。 スポンサード リンク
|