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マススペクトル (Mass Spectrum, MS) は、質量分析の結果得られる、横軸に質量(正しくは''m''/''z'' 値)、縦軸に検出強度をとったスペクトルである。試料分子の構造に関係する情報が多く含まれるため、既知物質の同定や新規物質の構造決定に用いられる。 マススペクトルを解釈する上で問題となるのは、主に''m''/''z'' 値、同位体ピーク、およびフラグメンテーションである。また、質量分析計の性能を評価する基準として質量分解能がある。以下それぞれ概略を記す。'm''/''z'' 値、同位体ピーク、およびフラグメンテーションである。また、質量分析計の性能を評価する基準として質量分解能がある。以下それぞれ概略を記す。 質量分解能がある。以下それぞれ概略を記す。 ==''m''/''z'' 値== 質量分析においては、試料はイオン化され、電界または磁界中で分離される。このとき、イオンが受ける力は質量 ''m'' と電荷 ''z'' の比、''m''/''z'' に比例する。したがって、マススペクトルの横軸は質量でなく、''m''/''z'' の値である。 分子 M をイオン化する際、1価イオン M+ のみでなく、2価イオン M2+ などが生じることがある。この場合、M2+ はマススペクトル上において M の半分の分子量 (''m''/2) を持つ分子のように現れる。このように1より大きな価数 ''n'' を持つイオンを多価イオンと呼び、M''n''+ と表す。多価イオンは試料質量の 1/''n'' 倍の値を持って現れる。 また、会合しやすい分子では、2量体や3量体など、多量体の形でイオン化することがある。このようなイオンを会合イオンと呼び、''m'' 量体由来のピークを ''m''M+ と表す。会合イオンは試料質量の整数倍の値をもって現れる。 多価イオンは酸性マトリックスを使ったMALDI法などを用いた際に、また会合イオンはESI法などのイオン化法を用いた際に多く見られる。通常の試料においては、1価・1量体のイオン(分子イオン、あるいは親イオンという)が最も観測されやすく、''n'', ''m'' が大きくなるほど観測されにくくなる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マススペクトル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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