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ビトゥルボ(''Biturbo'' )はイタリア の自動車メーカー・ マセラティが1981年から1994年まで製造した乗用車である。創業以来スーパーカーメーカーとして知られていたマセラティにとっては初めての量産車で、当初は2ドア4人乗り クーペとして登場したが、後に2座席オープンや4ドアセダンも追加投入された。 ビトゥルボという名前はそのV6SOHCエンジンに2つのターボチャージャーが備え付けられていたことに由来する(ツインターボのドイツ語表記)。ターボチャージャーは石川島播磨重工業(現IHI)製。 ビトゥルボの名が消滅した後も、カリフ・228・レーシング・シャマル・ギブリIIなど、V8エンジンを搭載する大型のクアトロポルテIII(1984年にロイヤルに改名)以外の、1997年までの間に生産された全てのマセラティ車のベースであった。 == 概要 == デ・トマソは1976年シトロエンからマセラティを買収した。当時の同社は第一次オイルショックによる主力の北米市場での販売減退、親会社シトロエンの経営行き詰まりとプジョーによる救済合併という状況下、存亡の危機にあった。マセラティを手に入れたデ・トマソは、この名門スポーツカーメーカーのブランド力をもっと買いやすい価格の乗用車の販売に利用したいという野心を抱き、2リッター級の4座席スポーティカーの開発に着手した。 設計は同社のエンジニア、ピエランジェロ・アンドレアーニ(''Pierangelo Andreani'' )が担当した。内外装のデザインも自社で行われたが、フロント周りやウッドパネルや本革をふんだんに用いた内装に当時のマセラティの主力車種でジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたクアトロポルテIIIとの近似性が現われている。 こうして1981年12月14日・マセラティの創業記念日に発表されたビトゥルボは純粋なスポーツカーというよりスポーティーな乗用車であり、2ドアノッチバック・クーペの車体寸法は当時のBMW323i(E21系)よりもやや小さいが、豪華な内装と高度な設計なエンジンを持ち、価格はBMWよりも高い、という独自のポジショニングを狙った商品であった。 アルミ製90度V6SOHCツインターボ付きエンジンはメラクの2,000ccモデルをベースにしたもので、元をたどればマセラティの名技師長ジュリオ・アルフィエーリ(''Giulio Alfieri'' )が設計したF1レーシングカー用V8エンジンに由来する。デビュー当初はキャブレター付1,995cc180馬力で、最高速度は215km/hをマークした。 当初の2,000ccという排気量はそれを越える乗用車には車両価格の38%の特別税が課せられるイタリア国内向けに用意されたもので、1982年にはエンジンを2,491cc185馬力に増強した輸出向けの「ビトゥルボE」が投入された。 ビトゥルボは当初マーケットに好評で迎えられ、ピーク時には年産5,000台以上を記録してマセラティを倒産から救ったが、信頼性の低さや維持メンテナンスの困難さから次第に人気は低下した。ただし、1994年にフィアット傘下に入ってからのギブリII・クアトロポルテIVなどの後身車種では、次第に信頼性は高まったとされる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マセラティ・ビトゥルボ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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