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マナ・ニャムカ : ウィキペディア日本語版
ワリャリョ・カルウィンチョ
ワリャリョ・カルウィンチョ〔『マヤ・インカ神話伝説集』にみられる表記。〕(''Huallallo Carhuincho'', ''Wallallu Qarwinchu'', など)は、アンデスの神話に登場する神(ワカ(en))であり、4人いる創造神の1人とされている〔『マヤ・インカ神話伝説集』228-229頁。〕。
ワリャリョ・カルインチョ〔『ペルー・インカの神話』、『世界の民話 アメリカ大陸〔II〕』などにみられる表記。〕、ワリャリョ・カルフィンチョ〔『インカの神話』にみられる表記。〕、ワヤジョ・カルインチョ〔『世界の神話伝説』にみられる表記。〕、ワリョリャ・カルインチョ〔『西洋神名事典』(山北篤新紀元社、1999年)271頁にみられる表記。〕、ワリャル・カルウィンチュ〔『新世界の悪魔』にみられる表記。〕とも呼ばれる。あるいは火山の神でもある。
以下ワリャリョと表記し解説する。
== 神話 ==

=== パリアカカとの戦い ===
ワリャリョは、最初の創造神ヤナムカ・インタナムカ(ヤナムカ・トゥタニャムカ)を倒し、その地の長(おさ)となり、また神として人々を支配した〔『ペルー・インカの神話』200頁。〕。
彼は口から火を吐くことができ、荒々しい気性で恐れられていた。さらに彼は、人肉を食べる習慣があった〔『インカの神話』103頁。〕。人々に対し、2人以上の子供を持つことを禁じ、2人の子供のうち1人を両親に選ばせると、自分が食べるために差し出させ、もう1人は育ててもよいとした〔。
別の物語では、こんにちのリマの原型を築いたユンカ族(ヤウヨス地方の人々の隣人)が、高い雪山パリアカカの麓の湖にワリャリョという名の神像を造り、1年のうち決められた時期に子供と女を生贄として捧げていたという〔『世界の民話』291頁。〕。
やがて、卵から生まれたとされる次の創造神パリアカカが、自分の力を試すべくワリャリョとの戦いを決意した〔『ペルー・インカの神話』206頁。〕。
別の物語では、雪山パリアカカに現れた神パリアカカが、ワリャリョへ人間の生贄を捧げるインディオに対し、自分は人間ではなくリャマと子リャマの血で満足するから人間をワリャリョへ捧げないよう命じている。インディオがワリャリョの報復を恐れていると知ったパリアカカはワリャリョと対決した〔『世界の民話』291-292頁。〕。
ワリャリョは火を、パリアカカは嵐と洪水〔『世界の神話伝説』237頁。〕(風と雨と洪水〔)、あるいは水と雹〔『世界の民話』292頁。〕を武器にして争った。
異説では、パリアカカは5人の人間で形成されており5方向から黄色と赤の雨を降らせ、稲妻の光も5方向で輝いた。
対してワリャリョは巨大な火焔となって対抗した。
雨水が低地のウラ・コチャの湖を溢れさせると、5人の分身の1人・リャクサ・チュラパが山を崩して水をせき止めた。
ワリャリョの炎は水を被りかけ、パリアカカはそこへなおも稲妻を浴びせた〔『インカの神話』104-105頁。〕。
戦いの果てにの力に破れたワリャリョは、鳥に変身してタシュリカ山へ逃げたが、パリアカカの息子が雷で襲ってきたため、多数の双頭の〔『ペルー・インカの神話』207頁では、パリアカカと5人の息子が稲妻で襲って来、ワリャリョは双頭の大蛇を残したと説明されている。〕をまき散らしながら、アマゾンの密林へ逃れた〔。

あるいは低地のアンティスーユへ逃れた〔『インカの神話』105頁。〕。
残された蛇はパリアカカによって石に変えられた〔。
また別の物語では、ワリャリョはサウサ地方のアンデスへ追いやられた。さらに雪山パリアカカに変身したパリアカカが、ワリャリョを火山に変えたと伝えている。戦いで生じた湖はパリアカカと呼ばれ、クスコからシウダッド・デ・ロス・レイエスへの途上にあるという〔。
ワリャリョを成敗した後、パリアカカの息子たちはリャマリャック山へ行き、住民を集め、パリアカカを称揚するための儀式を定めたとも伝えられている〔『ペルー・インカの神話』207頁。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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