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マンガン団塊、マンガンノジュール ()、多金属ノジュール()とは、海底のコンクリーション(凝結物)であり、コアの周りに同心円状に層状に形成された、水酸化鉄と水酸化マンガンからなるノジュールである。コアは顕微鏡的サイズであることもあり、結晶化作用により完全にマンガン鉱物に置き換わっていることもある。コアが肉眼で見える場合は、微化石(放散虫や有孔虫)の殻〔On the cruise of H.M.S. ''Challenger'' p.39〕や、燐灰石などのリン酸塩鉱物に置換されたサメの歯〔や、玄武岩のデブリ、さらにはすでに形成されていた別のモジュールの破片であることもある。 ノジュールにはいろいろなサイズのものがあり、小さいものは顕微鏡下でのみ観察可能な粒子であるが、大きいものは20cm以上の大きさのペレットである。しかし、もっとも多いのは直径5cmから10cm程度で、ちょうどジャガイモくらいの大きさである。ノジュールの表面は普通平滑であるが、場合によっては粗面であったり、ブツブツした乳頭状のものがあったり、不規則であったりする。〔一般的には、堆積物に埋まっている底面側は上部より粗面である。 ==ノジュールの成長と化学組成== マンガンノジュールの成長は地質学的な現象の中でも遅いものの一つで、放射性同位体元素の分析によれば1cm成長するために数百万年単位の時間を要する。〔Underwater Minerals p.121-126〕いくつかのプロセスがノジュールの形成に寄与していて、それには大陸から流入するなどして海水に含有された金属が沈殿した (海洋起源 hydrogenous)もの、海水中のマンガンの垂直移動に伴うもの(diagenetic 二次的生成)、火山活動に伴う温泉水から派生した金属によるもの(熱水起源 hydrothermal)、玄武岩デブリの分解によるもの(halmyrolitic)、微生物の活動による(水)酸化物の沈殿によるもの(生物起源 biogenic)がある。 海水からの化学的沈殿には、ノジュールに含まれる酸化鉄が触媒として働いていると考えられている。 生物起源には有孔虫の底生群集によるものと、バクテリアによるMn2+の酸化が考えられている。 複数のプロセスが並行的に作用することもあるし、あるプロセスの後に別のプロセスを受けて成長することもある。 マンガンノジュール中のMnO2は主に轟石、バーネス鉱、ベルナド鉱(δ MnO2)として存在している。轟石は2価のマンガンを含んでおり、これがZn2+,Ni2+,Co2+に置換することでこれらの金属を含むことができると考えられている。〔Underwater Minerals p.132〕δ-MnO2はもっとも結晶化されていないものである〔Underwater Minerals p.100〕が、この中にはCoを多く含むものも存在する。 モジュールの化学組成はマンガン鉱物の種類やサイズ、それとコアの性質によって変化する。経済的観点からもっとも興味のある種類について言えば、マンガン(27%-30%)、ニッケル(1.25-1.5%)、銅(1-1.4%)、コバルト(0.2-0.25%)を含む。また、別の種類のものは鉄(6%)、ケイ素(5%)、アルミニウム(3%)とそれより少ない量ののカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、チタン、バリウムを主に水酸化物として含む。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マンガン団塊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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