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マーズ・オービター・ミッション(Mars Orbiter Mission:MOM)はインド宇宙研究機関による火星探査計画である。火星を長楕円軌道で周回しつつ5つの搭載機器で観測を行う計画であり、その周回探査機は非公式の愛称としてMangalyaan(マンガルヤーン「火星の乗り物」)と呼ばれている。 == 概要 == マーズ・オービター・ミッションは2012年8月4日にインド政府によって承認され、マンモハン・シン首相は同月15日の独立記念日演説において国民に向けインド初の惑星探査機が火星を目指すことを発表した〔 〕。 探査機はインドの気象衛星Kalpana-1や測位衛星IRNSS-1と同じプラットフォーム「I-1K」を用い、インド宇宙研究機関の衛星センター(ISAC)において組立が行われた。メインエンジンとしてモノメチルヒドラジンと四酸化二窒素を使用する2液式ロケット(推力440N)を搭載し、そのほか姿勢制御用に小型スラスタ8基(推力22N)を備える。 2013年11月5日にサティシュ・ダワン宇宙センターよりPSLV-XLロケットを使用して打ち上げられ、近地点252km、遠地点28,825kmの楕円軌道に投入された後、やり直し1回を含む計6回のスラスタ噴射を順次行って11月16日には遠地点高度を192,874kmへ引き上げた。その後12月1日に22分間のスラスタ噴射を行ってさらに加速し、地球周回軌道を離脱して火星へ向かう遷移軌道に入った〔 〕。 火星到達は2014年9月24日の予定とされた。その後減速して近火星点365km、遠火星点80,000kmの長楕円軌道に入り、可視光カメラによる地表観測、地表の鉱物分布、火星大気の逸出状況、生命活動に由来するメタンの存在有無に関する調査を300日間にわたって行う計画である。 探査機との通信はカルナータカ州Byalaluに所在するインド深宇宙ネットワーク(IDSN)の32mパラボラアンテナを用いて行われ、バンガロールのテレメトリー追跡コマンドネットワーク(ISTRAC)が探査機の管制を行う。この探査ミッションは7,200万ドルの低コストであるとともに〔、政府によって計画が承認されてから打ち上げまで僅か1年5ヵ月という異例のスピードで成し遂げられた。 2014年6月16日、インド宇宙研究機関は、同年9月24日に火星の周回軌道上に達する見通しだと発表した〔〔。9月24日、予定通り火星周回軌道への投入に成功し、インドはアジアで初めて〔探査機を火星に到達させた国となった〔〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マーズ・オービター・ミッション」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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