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マーチソン隕石(マーチソンいんせき、)は、1969年9月28日にオーストラリア・ビクトリア州の付近に飛来した隕石である。タイプIIの炭素コンドライトに分類される。 隕石中にピペコリン酸といった生体内で見つかる有機酸や〔 〕、 グリシン、アラニン、グルタミン酸といったタンパク質を構成するアミノ酸のほか、イソバリン、シュードロイシンといった、生体では見られないアミノ酸も発見されている。これらのアミノ酸は、発見当初はラセミ体であることから、地球上の分子の混入ではなく地球外で生成され地球に輸送されたと考えられた。基本的な分子からアミノ酸が生成することを示した、ユーリー・ミラーの実験で見られたのと同様の複雑なアルカン混合物も発見されている。また、人の皮脂により汚染された場合によくみられるセリンやトレオニンといったものは発見されなかった。 分析技術の発展により、発見されたアミノ酸の中には鏡像体過剰 (ee) がみられるものがあることがわかっている。このような鏡像体過剰は生体にのみ存在する性質と考えられており、また、鏡像体過剰が見出されたのは生体アミノ酸のみに限られ、ほかのものはそうではなかったことから、この調査結果には疑いの目が向けられた。その後、1997年に鏡像体過剰が見られるアミノ酸の窒素 15N の同位体比が地球上のものと大きく違うことが示され、これらの鏡像体過剰が地球外で生成された物であることが証明された。 ホモキラリティーが隕石中の鏡像体過剰な分子が引き金となって生成したという説がある。近年の研究では、L-プロリンといったアミノ酸が触媒作用により、糖の鏡像体過剰を促進することが報告されている。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マーチソン隕石」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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