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数学の集合論におけるマーティンの公理(マーティンのこうり、Martin's axiom, MA)とは、マーティン (:en:Donald A. Martin) とソロヴェイ (:en:Robert M. Solovay) によって1970年に提唱された、ZFCと独立な命題である。 この命題は連続体仮説(CH)に含意されているので、ZFCと確かに矛盾しない。しかし、ZF + ¬ CHとも矛盾しないことも知られている。すなわち、MAを仮定するかどうかに興味があるのはCHを仮定しないときのみである。 この公理は非公式には、「連続体濃度未満の任意の基数がと似たような振る舞いをする」ということを言っているものとして考えられる。この主張の背景となる直感を知るには、ラショーヴァ=シコルスキの補題を研究するとよい。もっと形式的には、この公理は強制法の議論をコントロールするために使われた原理である。 == 概要 == マーティンの公理のいくつかの表現は概して二部に分かれている。 MA(k)は、「任意の可算鎖条件(以下、cccと略記)を満たす半順との中で稠密な集合の任意の族(ただしは高々k)に対して、 上のフィルター で、いかなる の要素 に対しても が と交わりを持つというものが存在する」という命題で、MAは「連続体濃度 未満の任意の基数kに対してMA(k)が成り立つ」という命題である。( MA( )が偽であることはZFCの定理である。) cccを語る際の注意として、ここで反鎖とは の部分集合 で、その互いに異なる任意の二元が両立しないものことである。(二元が両立するとは、その半順序の意味で共通下界が存在することである。)これは、例えば木における反鎖とは定義が異なるので注意が必要である。 MA()は真である。これはラショーヴァ=シコルスキの補題として知られている。 MA()は偽である。:はコンパクトハウスドルフ空間であり、可分なのでcccを満たす。は孤立点を含まず、内の点による一元集合は疎(至る所非稠密)である。しかし、は個の点による単集合の和であり、個は多すぎる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マーティンの公理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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