|
ミスファイアリングシステム(英語:Misfiring system)とは、ターボチャージャーによる過給エンジンにおいて、アクセルオフ時後に発生するターボラグを解消するシステムである。スロットルをオフした時にエンジンを故意に失火(ミスファイア)状態にすることから、この名称で呼ばれている。 == 動作原理 == ターボチャージャーは、エンジンから廃棄される排気ガスのエネルギー(動圧、静圧及び熱エネルギー)により排気タービンを回転させ、その回転力によりコンプレッサーを駆動することで、空気をエンジンへ圧送する。 そのため、減速のためにアクセルペダルを戻すと排気エネルギーが減少しタービン回転数が徐々に下がる。同時に、スロットルバルブより上流の空気も行き場を無くすため、逆流しコンプレッサーの回転が妨げられる〔市販車のエンジンにはブローオフバルブが取付けられているため、コンプレッサーへの逆流は問題にはならない。モータースポーツ車両のエンジン(特にリストリクター付きの場合)では、過給圧が下がることを嫌いブローオフバルブが取付けられていないため、この逆流が問題となる。〕。 その後再加速のためにアクセルペダルを踏み込んだ時、タービン回転数が再び上昇しコンプレッサーが機能するまでの遅延時間(ターボラグ)が生じ、この間は十分な過給が行なえず、期待した機関出力を得られない。 その対策として、タービン直前のエキゾーストマニホールド内で未燃焼ガスを燃焼させ、排気ガスのエネルギー不足を補いタービン回転の低下を防ぐ。具体的な例として、アクセルオフ時に1気筒分の点火時期を上死点後まで遅角して排気時に点火し、続く気筒は点火カットして混合気をエキゾーストマニホールド内で燃焼させる。〔アンチラグ:AVO/MoTeC Japanのブログ(NEWS)〕なお、ターボチャージャーの容量が大きい場合には、エキゾーストマニホールドに二次空気を積極的に導入し〔NISMO FESTIVAL 2008で展示されていたJGTCに参戦していたスカイライン GT-R用エンジン(VQ30DETT) 。2002年の第3戦より使用されていた。コンプレッサーハウジングやエキゾーストマニホールドに、ミスファイアリングシステムの部品が取付けられている。〕、効果を高める場合がある。 システム作動時には、太鼓を叩いたような「ポンポン」「ポコポコ」という音がするが、制御が不十分でエキゾーストマニホールド内で燃焼しきらずにアフターファイアーを起こしている場合には、爆発音のような「バンバン」「パパパパ」という音が発生する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミスファイアリングシステム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|