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ミネラルコルチコイド : ウィキペディア日本語版
ステロイド

ステロイド (steroid) は、天然に存在する化合物または合成アナログである。シクロペンタヒドロフェナントレンを基本骨格とし、その一部あるいはすべての炭素が水素化されている。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。天然のステロイドはトリテルペノイド類から生合成される〔IUPAC Gold Book - steroids 〕。共通して、ステロイド核(シクロペンタノ-ペルヒドロフェナントレン核)と呼ばれる、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性で水に不溶であるが、生体物質としてのステロイドはC-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類であり、ステロイドホルモンをはじめ、水溶性の性質も有する。
ステロイドはステラン核と付随する官能基群により特徴付けられるテルペノイド脂質で、核部分は3つのシクロヘキサン環と1つのシクロペンタン環から成る4縮合環炭素構造である。ステロイドはこれらの炭素環に付随する官能基およびその酸化状態により異なったものとなる。
何百もの異なるステロイドが植物動物菌類で見つかっており、それらすべてのステロイドがそれぞれの細胞においてラノステロール(動物および菌類)またはシクロアルテノール(植物)といったステロールから生成され、これらステロール(ラノステロールとシクロアルテノール)は何れもトリテルペンの一種であるスクアレンの環状化により誘導される〔Lanosterol biosynthesis 〕。
ステロールはステロイドの特殊型であり、C-3にヒドロキシ基を有しコレスタンから生成される骨格である〔 PDF 〕。コレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。
ステロイドは、ほとんどの生物の生体内にて生合成され、中性脂質タンパク質糖類とともに細胞膜の重要な構成成分となっているほか、胆汁に含まれる胆汁酸や生体維持に重要なホルモン類(副腎皮質ホルモンや昆虫の変態ホルモンなど)として、幅広く利用されている。
== 構造 ==
ステロイドは側鎖などによって、コレスタン (cholestane)、コラン (cholane)、プレグナン (pregnane)、アンドロスタン (androstane)、エストラン (estrane) の5つに分類される。
下図のように構造式を書いた場合に、それぞれの環を左下から順にA環、B環、C環、D環と呼ぶ。また環上の置換基の立体表示法として、紙面下側方向をα、上側方向をβで表す。隣り合う環同士の間にαとβの両方を含む場合はトランス配置、いずれもα(またはβ)の場合はシス配置と呼ばれる。A/B環の配置は両方を取りうる(そのため下図の例では5位水素の立体が明示されていない)が、B/C環は常にトランス配置であり、C/D環も多くがトランス配置である。
a配座/e配座、α配座/β配座と表現される場合もある。

image:Cholestane.svg|コレスタン
image:Cholane.svg|コラン
image:Pregnane.svg|プレグナン
image:Androstane.svg|アンドロスタン
image:Estrane.svg|エストラン


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ステロイド」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Steroid 」があります。



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