|
ミルウォール・ブリック(Millwall brick)とは、新聞紙を用いて作る一種の打撃武器である。チェルシー・ブリック(Chelsea brick)ともいう。1960年代から1970年代のイングランドにおいて、サッカー観戦で隠し武器として用いられていた。本来は武器とするために作られているわけではない新聞紙が大量に入手可能であること、また数枚の新聞紙を丸めて成形するだけという作成の容易さから、この武器が広まっていたと考えられている。 ==歴史== 1960年代後半、サッカー観戦における暴力行為に対し、警察は武器になり得るあらゆる物品を没収し始めた。没収の対象となった物品の中には、鋼鉄製の櫛、ペン、コースター、清涼菓子のポロ、靴紐、さらにはブーツまでもが含まれていた〔Marshall, George. (1991) ''Spirit of '69: A Skinhead Bible'' Publisher: S.T. Publishing. ISBN 0-9518497-0-0〕。しかし、新聞を持ち込むことは許されていた。ガーディアン紙やフィナンシャル・タイムズ紙のような大判の新聞紙はミルウォール・ブリックの作成には最も適していたが、警察は労働者階級のサッカーファンがそういった新聞紙を持ち歩いていることを不審に思っていた。そこで、より不自然さの少ないタブロイド紙がミルウォール・ブリックの作成に用いられるようになった〔Knight, Nick. (Oct. 1982) ''Skinhead.'' Publisher: Omnibus Press. Pg. 17 . (writing , "The Millwall brick, for example, was a newspaper folded again and again and squashed together to form a cosh.") ISBN 0-7119-0052-3〕。''Spirit of '69: A Skinhead Bible''という本では、フーリガンによるミルウォール・ブリックの使用について、次のように述べられている。 新聞紙は堅く丸められてミルウォール・ブリックと呼ばれるものが作られていた。また、1ペンス硬貨を紙に包んでナックルダスターが作られたりもしていた。ポケットの中に小額のつり銭を持っているとか、デイリー・ミラー紙を腕に抱えているとかでは、逮捕されることなどまずなかった〔。 また、''Skinhead''では、次のように述べられていた。 例えばミルウォール・ブリックは、新聞紙を何度も何度も折り丸め、押しつぶして棍棒を作ったものであった〔。 2003年6月、英国議会の庶民院は、折り丸められた新聞紙を武器としてみなし、傍聴者が持ち込むことを禁じた〔Jory, Rex. (June 4, 2003). ''The Advertiser''. ''Delight of a city not yet shackled by security.'' Section: Opinion. Pg. 18 (writing, "Entering the House of Commons to listen, from the public gallery, to Question Time is to be treated like a felon being sent to prison. I was stripped of anything larger than a fountain pen. Even a folded newspaper was viewed as a potential weapon of mass destruction.")〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミルウォール・ブリック」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|