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ミーカガン : ウィキペディア日本語版
ミーカガン

ミーカガンとは、ゴーグルの1種。19世紀末の沖縄で玉城保太郎(たまぐすく やすたろう〔糸満市商工会情報誌『ほろほろVol.06』〕)によって発明された、主に潜水をしてのの際に琉球の漁師によって使われていた両眼式の水中メガネのこと。ただしミーカガンという語は琉球の方言であり、通常水中メガネを指すのだが、普通のメガネのことも指す場合がある。糸満の漁業に影響を与え、漁法の進歩にもつながった発明品であり、モンパノキの琉球地方での呼び名にも影響を与えた。
== 概要 ==
ミーカガンは、潜水をしながら獲物を捕る漁法を行った漁師達によって使用された両眼式水中眼鏡である。1884年の夏に、糸満(現糸満市の中心市街地であり、旧糸満町に当る地域。古くから漁業が盛んな集落であった〔沖縄大百科事典(上巻)p.208〕。)に住んでいた、玉城保太郎(たまぐすく 保太郎)によってミーカガンは開発された〔沖縄大百科事典(中巻)p.515、及び、(別巻)p.135〕。なおミーカガンの開発には約4年の歳月がかかったとされる〔沖縄大百科事典(中巻)p.515〕。彼は特に漁具の改良を行ったことによって、琉球の水産業に影響を与えた〔沖縄大百科事典(中巻)p.515、及び、(上巻)p.212〕。海で潜水を主体とする漁法を行っていると、水中メガネがない場合、眼がただれたり、年齢を重ねると目がかすんだりしたため、ミーカガンが開発されるまでは獲物を捕るのにも手探りといった状態だった〔沖縄大百科事典(中巻)p.516〕。しかしこのミーカガンが登場したことで、貝類の採集などの潜水を主体とする漁法が発達するなど、糸満の漁業にとっては大きな影響を与えた発明であった〔沖縄大百科事典(中巻)p.516、及び、(上巻)p.212〕。ところで、このミーカガンの材料として玉城保太郎は、イーフ島に生えていたモンパノキを使用したと言われている〔沖縄大百科事典(中巻)p.515、p.516〕。モンパノキとは、ムラサキ科の低木であり、この木のことを琉球の方言でハマスーキ(浜潮木)と呼ぶ他に、ガンチョーギー(眼鏡木)とも呼ぶ〔沖縄大百科事典(下巻)p.683〕。先にも述べたようにミーカガン(目鏡/めかがみ)とは主に水中メガネを指す琉球の方言であるが、実は普通のメガネのことも指す琉球の方言である〔沖縄語辞典 p.259、p.402〕。そして普通のメガネ(眼鏡/がんきょう)のことは、主にガンチョーと呼ぶ〔沖縄語辞典 p.83、p.259〕。ミーカガンというメガネのフレーム部分をモンパノキので作ったために、琉球地方においてモンパノキにはガンチョーギー(眼鏡木)という別称が付けられたことで知られている〔沖縄大百科事典(下巻)p.683〕。ミーカガンのフレーム部分は、このモンパノキを刃物で削って製造されていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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