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ムカサリ絵馬[むかさりえま] ムカサリ絵馬(むかさりえま)とは、冥婚の一種。山形県の村山地方のみ〔須藤、2009年、44-45頁。〕で行われている。ムサカリは誤記。ムカサリは「迎えられ」からくる結婚の方言〔むがさり(山形の方言)の意味・変換 -全国方言辞典 -goo辞書 〕。嫁に迎えて去ることからこう呼ばれる。事故や事件、病気などで子供を失った親が絵や写真で架空の人物との婚儀の様子を描き、寺に奉納することで、故人の成仏や死後の幸せを祈る。 == 概要 == 絵馬自体は正装の故人と架空の花嫁の婚礼の様子が描かれている。場合によっては父母やお酌取りの女性が描かれることもある〔岩井、1979年、126頁。〕。これは時代によって差があり、比較的古いものでは仲人、両親、雄蝶、雌蝶などが含まれた正式な婚礼の場面が描かれた。しかし新しいものだと、新郎新婦のみの記念写真風のものが目立つと大東氏は指摘している。立石寺での時代ごとの奉納数は未調査のため判明していない。しかし若松寺での悉皆調査によると、被供養者数は1120名に上る〔大東、2014年、169頁。〕。 『綜合日本民俗語彙』によると、嫁入りを意味するムカーサルは長野県から静岡県の伊豆、駿河地方、飛んで宮崎県の南部で使われている〔松崎、1993年、45頁。〕。このように方言そのものの分布は認められるが、絵馬の奉納習俗は山形県の村山地方と青森県津軽地方の一部に限定されている。 ムカサリ絵馬は奉納者が書くこともあるが、多くは地元の絵師に依頼される〔松崎、1993年、67頁。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ムカサリ絵馬」の詳細全文を読む
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