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ムーブ! : ウィキペディア日本語版
ムーブ!

ムーブ!』は、2004年10月4日から2009年3月6日まで、朝日放送ABCテレビ)で放送された関西ローカル報道情報番組である。ステレオ放送ハイビジョン制作を実施していた。放送時間は、月曜-金曜15:55-17:54(JST)。
== 概要 ==
朝日放送で10年半にわたり放送された前番組『ワイドABCDE〜す』シリーズと比べ、ニュース報道番組色を前面に押し出し、従来の地域密着型の生活情報を抑えた。メインキャスターには、同局のアナウンサーの堀江政生を起用。堀江は報道のキャスター色が強い。ゲストコメンテーターも他の在阪局番組に登場するお笑いタレントは一切出演せず〔「AERA」での報道によれば、吉本興業のタレントが出る番組枠が大幅に減るので、局の営業関係者には苦労をかけたと振り返っている。〕、東京を拠点としたジャーナリスト評論家を番組コメンテーターとして多数据え、ニュースや視聴者からの疑問、他のメディアが伝えない見解や評論を発信する。
番組の流れは、前半に番組取材の政治・経済・社会問題等のニュースや報道の特集を放送。日替わりで出演するコメンテーターらの専門分野を活かした企画や視聴者の疑問に迫る企画もある。後半に夕刊雑誌の気になる記事を紹介、番組最後に芸能を取り上げる(朝日放送の新社屋移転後は番組構成が大きく入れ変わる日もあったがほどなく元に戻された)。
* 基本的にVTRよりもスタジオでのコメンテーターらの議論がメイン。前半の特集にはニュース素材としてのVTRが用意されている。スタジオにある大型モニターを用いてそれらのニュースを解説していくことが多い。また、スタジオトーク中はBGMやテーマに関する資料VTRが流れる。
* 扱いづらいテーマも自由に取り上げ、コメンテーターらの発言に対する制約は少ない。内部告発者が生出演することもある。番組の一部が動画サイトなどにアップロードされることで評判を呼び、放送エリア外の人々からも「放送を見たい」という要望もある〔日本一わかりやすい「ムーブ!の疑問」の大発見(アスコム)2006年12月 ISBN 4776203715〕。各人が専門分野を活かして解説を行うが、出演者によってその主張やイデオロギーが異なる点も特徴。
* 前半のニュース特集では番組独自の報道取材を行っていた。年金問題や大阪市問題京都市の不祥事問題を追及している。
 * 2005年には『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』の大阪府立淀川工業高等学校の回に、捏造があることを指摘し『プロジェクト〜』が終了するきっかけの一つとなった。
 * 2006年春には、大阪市在住の視聴者が、番組宛に告発し、番組が独自に調査報道したところ、国民年金不正免除問題を始めとする社会保険庁の年金問題をスクープし、これが日本全体を揺るがす年金問題の火付け役となった。
  * 7月には、京都市環境局西京まち美化事務所の職員が、運転免許証を取得していないに関わらず、ごみ収集車無免許運転していた事を、番組で明らかにした。
  * 11月には、ひろしまドッグぱーく問題で、動物保護団体アークエンジェルズによる寄付金流用疑惑を、現地の系列局・広島ホームテレビ(HOME)『HOME Jステーション』と共同でスクープ
 * 2007年には、高槻市の市バスの不正問題や連合高槻の不正問題をスクープ。
 * その他、牛肉偽装事件のミートホープ事件では内部告発者と共に農林水産省へ番組が同行し公開。食肉業界にはびこる偽装の問題を明らかにした。
* 2006年9月のムーブ!マガジンスタンドで、植草一秀に痴漢7件で示談の過去という『女性セブン』の記事を紹介したが、この記事が事実無根であり名誉を棄損したとして植草がABCを提訴した。この和解に基づき、2008年10月の番組内で1分間のおわび放送を2度繰り返した。
* 2006年11月、自社(朝日放送)アナウンサー3人によるセクハラ(性犯罪)事件が発覚。過去に同業他社の社員が痴漢事件を起こした際は、マスコミの中でもいち早く実名報道を行い批判したにも関わらず、処分された3人について「被害者のプライバシーもあり公表できない」として実名報道をせず、発覚日に番組冒頭にて会社として謝罪するにとどまった。事件の詳細は、朝日放送#アナウンサーによる性犯罪事件を参照。
* 2008年12月11日に番組の放送が1000回を迎えた。しかし2009年3月6日をもって4年半、1051回続いた番組が終了した。
 * 後継番組は、2009年3月16日から「NEWSゆう」をリニューアルした報道ワイド番組『NEWSゆう+』がスタートした。「ムーブ!」のコメンテーター陣の二木啓孝大谷昭宏井上公造は引き続き出演する。
* 2009年8月、番組4年間の裏側をスタッフの観点から描いたノンフィクション作品「ムーブ」(片瀬京子著・西日本出版社刊)が発刊された。巻末には「勝谷誠彦の知られてたまるか!」で紹介できなかったラスト5軒のお店のデータを紹介している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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