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メアリ・エレン・ウィルソン事件 : ウィキペディア日本語版
メアリ・エレン・ウィルソン事件[めあり えれん うぃるそんじけん]
メアリ・エレン・ウィルソン事件(メアリ・エレン・ウィルソンじけん)とは1874年4月ニューヨーク市で起きた当時8歳であったメアリ・エレンに養母のメアリー・マコーマック・コノリーが約6年に及ぶ虐待を行ったという事実が世間に出ることに至った事件。
メアリー・エレン・ウィルソンは義母と義父であったコノリー夫妻により虐待されていた。コノリー夫妻のもとでメアリー・エレンは夜間に庭に出る以外は外に出ることを許されず、牛革製の鞭で毎日叩かれ、体中と頭中にはあざと傷跡が絶えず、額にはハサミで殴られたことにより作られた大きな傷跡が残っていた。コノリー夫妻が住んでいた住居の大家であったビンハム夫人は、これを見かねて、ケースワーカーであったエタ・ウィーラーに相談した。エタ・ウィラーはその虐待についての調査を行い、アメリカ動物虐待防止協会の創始者であるヘンリー・バーグに報告をした。そしてヘンリー・バーグの呼びかけを受けた警察によりメアリー・エレンは保護された。事件は法廷に持ち込まれ、メアリー・エレンの義母であったコノリー夫人はメアリー・エレンに対する傷害罪の実刑判決を受け、一年間刑務所に送られた。
この事件がきっかけとなり児童虐待防止法が生まれ、同じ年に世界で初めての児童を虐待から救う目的で作られた団体であるニューヨーク児童虐待防止協会New York Society for the Prevention of Cruelty to Children)が創立、子供を児童虐待から救う活動が世界中に広がっていく。〔「Mary Ellen Wilson:How One Girl's Plight Started the Child-Protection Movement. 」 アメリカ人道協会〕

== 養女に出されるまで ==
メアリー・エレンは1864年にフランシス・ウィルソンとトーマス・ウィルソンの間にニューヨーク市で生まれた。メアリーが生まれて間もなく父親であったトーマスが死にフランシスはメアリーを一人で育てることになった。残されたフランシスは忙しさの中から幼女であったメアリーと共に過ごし養育をする時間が無くなりメアリー・スコアーという女性のもとに寄宿させることになる。
経済状況が悪化するにつれフランシスはメアリー・スコアーに支払う養育費用を滞納するようになりメアリー・エレンに会いに来ることも無くなっていった。そしてメアリーが2歳の時フランシスはメアリー・エレンの養育費を三週間滞納しメアリー・スコアーはメアリー・エレンを市の慈善局 (Department of Charities) に預けその後引き取りに来ることはなかった。
そしてメアリー・エレンは1865年ルーズベルト島に送られ病気で飢えていたこどもたちの仲間入りをした。当時のブラックウェルズアイランドではそこに住むこどもたちの三分の二は成人を迎えることなく死んでいった。現在ブラックウェルズアイランドはルーズベルト島と呼ばれている。19世紀中はこの島には様々な病院、保護施設、矯正施設が所在していた。
そして1866年にメアリーは市の慈善局 (Department of Charities) に以前捨てた子供を引き取りに来たマコーマック夫妻に引き取られることになる。この時マコーマック夫妻とメアリーの親族関係を証明する公式的な文書がニューヨーク市に提出されることはなかった。マコーマック夫妻はニューヨーク市に対しメアリー・エレンのことを年に一度報告する事を約束した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「メアリ・エレン・ウィルソン事件」の詳細全文を読む



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