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メガラー(, )は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してメガラとも表記される。テーバイの王クレオーンの娘。一説にリュコスの娘とも〔高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.278b。〕。ヘーラクレースの最初の妻で、3人の息子テーリマコス、クレオンティアデース、デーイコオーンを生んだ〔アポロドーロス、2巻4・11。〕〔アポロドーロス、2巻7・8。〕。 また後にイオラーオスと結婚し〔アポロドーロス、2巻6・1。〕、娘レイペピレーを生んだ。レイペピレーはヘーラクレイダイの1人ピューラースと結婚し、ヒッポテース、テーローを生んだ〔ヘーシオドス断片190(パウサニアス、9巻40・6 による『大エーホイアイ』の引用)。〕。 メガラーについては異説が多い。メガラーとヘーラクレースの子共の数は2人、8人とも言われている。彼女の子供たちは気が狂ったヘーラクレースによって殺されるが、その死はヘーラクレースの12の難行以前とも、難行後であると言われ、特に前者の場合は12の難行および、ヘーラクレースがオイカリアー王エウリュトスを滅ぼすきっかけとなっている。一方、後者の説ではメガラーも子供たちと一緒に殺されたことになっている。 == 神話 == ===アポロドーロス=== アポロドーロスによると、ヘーラクレースはテーバイとオルコメノス王エルギーノスとの戦争でエルギーノスを討ち取り、オルコメノスの軍勢を潰走させた。さらにテーバイはオルコメノス王クリュメノスを殺した賠償として、20年間の貢物を課されていたが、ヘーラクレースはオルコメノスにテーバイに対してその2倍の貢物を支払うことを認めさせた。これらの功績がクレオーンに認められ、メガラーはヘーラクレースの妻として与えられた〔。 ; アポロドーロスによる系譜 ところが戦争後、ヘーラクレースは気が狂い、メガラーとの間に生まれた子供たちと、イーピクレースの子供たちを火に投げ込んで殺した。これはヘーラーの嫉妬が原因であったと言われる。この事件によってヘーラクレースは自らテーバイを去り、デルポイの神託によって12年間エウリュステウスに仕え、10の難行に挑むこととなった。これがいわゆるヘーラクレースの12の難行である〔アポロドーロス、2巻4・12。〕。 この難行を果たしたのち、ヘーラクレースはメガラーを甥のイオラーオスに与え、自分はオイカリア―王エウリュトスの娘イオレーに求婚した〔。しかしエウリュトスとその息子たちはメガラーの子供たちのように、イオレーとの間に生まれた子供を殺すのではないかと考えて拒否した〔アポロドーロス、2巻6・2。〕。ヘーラクレースはこれをうらみ、後にエウリュトスの一族を滅ぼしてイオレーを奪うことになる〔アポロドーロス、2巻7・7。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「メガラー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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